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日本代表 9年前

前代未聞の合宿離脱。アギーレが出席するFIFA“お墨付き”サッカー殿堂表彰式とは? かつてジダンは欠席…

text by 池田敏明 photo by Getty Images

FIFA会長も出席。今後は権威が高まる可能性も

 日本では「メキシコ企業が主催」という報じられ方が一般的だが、この「メキシコ企業」という表現の不透明さによって胡散臭さが助長されている感がある。

 この「メキシコ企業」とは「グルーポ・パチューカ」のこと。勘のいい方はお分かりになるだろうが、クラブW杯で3度、来日したクラブ・パチューカの経営母体だ。

 パチューカに対して、多くの方は「クラブW杯で大したインパクトを残せなかったメキシコの地方中堅クラブ」程度の認識しかないと思われるが、実はメキシコでも屈指の資金力を備えたビッグクラブであり、経営母体の「グルーポ・パチューカ」は会議場や大学、ショッピングモールなど様々な事業を展開する大企業である。

 パチューカの他にクラブ・レオン(メキシコ1部)、サカテカス(同2部)など数多くのクラブをメキシコ国内で所有しており、最近ではアメリカ・デ・カリ(コロンビア)やシエンシアーノ(ペルー)の買収に乗り出すなど、サッカー界における影響力を強めようとしている。

「サッカー殿堂」事業もその一環で、本拠は彼らのホームタウンであるイダルゴ州パチューカ市に置いている。

 開設は2011年7月と歴史は浅いが、オープニングセレモニーにはFIFAのゼップ・ブラッター会長も出席しており、いわばFIFAの“お墨付き”をもらっている。

 表彰は「国内部門」、「国際部門」、「草創期部門」、「女子サッカー界への貢献者部門」に分かれており、過去にはペレやフランツ・ベッケンバウアー、ヨハン・クライフ、ディエゴ・マラドーナなど、誰もが知るビッグネームが殿堂入りを果たしている。

 今はまだ知名度が低いものの、今後、その権威は高まっていくだろう。いずれはバロンドールのように、FIFAの管轄下に置かれることになるかもしれない。

 ちなみに、今年の式典で殿堂入りを果たすのはロマーリオやカルロス・バルデラマ、アレックス・ファーガソン、セサル・ルイス・メノッティといった面々で、アギーレは国内部門の一人として殿堂入りする。

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