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日本代表 9年前

エゴイストからフォア・ザ・チームへ。紆余曲折を経て成長遂げた乾貴士

いよいよ2日後に迫ったパレスチナとの初戦。今大会は、左WGの先発候補である乾貴士にとって、代表レギュラー定着の大きなチャンスとなる。紆余曲折を経て精神面も成長。フォア・ザ・チームに徹して貢献する意欲を示した。

text by 元川悦子 photo by Getty Images

代表レギュラー定着のチャンスをつかんだ乾

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左WGの先発候補である乾貴士【写真:Getty Images】

 ホスト国・オーストラリアがクウェートを4-1で下す形で開幕した2015年アジアカップ。日本代表の初戦・パレスチナ戦もいよいよ2日後の12日に迫ってきた。

 10日の代表はニューカッスル市内のグランドで10時半からトレーニングを実施。9対2、8対2のボール回しやフットバレーなどを1時間程度こなすという非常に軽い調整となった。

 練習途中には、香川真司(ドルトムント)がプレーを中断して一足先に引き上げていく場面があり、ケガではないかと懸念された。が、「フットバレーで左肘を打っただけ」と本人は軽傷であること強調。周囲を安堵させた。

 4年前の2011年アジアカップ(カタール)では準決勝・韓国戦で右足第5中足骨骨折の重傷を負っているだけに、ケガだけは何としても避けたいところ。彼自身も「ここでケガをしたら試合にならないから、しっかり集中したい」と改めて気を引き締めた。

 その香川とともにセレッソ大阪(C大阪)でプレーしていた2009年に初めて日本代表招集を受けながら、ここまで定着し切れなかったのが乾貴士(フランクフルト)だ。

 彼にとって今回のアジアカップは悲願の代表定着、そしてレギュラー獲得の大きなチャンスとなる。

「自分が主力になるとかじゃなくて、今はこのアジアカップで優勝することしか考えてないので。これで武藤(嘉紀=FC東京)が出ても何の問題もないと思いますし、ホントにこの大会は総力戦。

 バテた相手に交代した選手がチャンスを作るって言うのも多いと思うので、そのへんも意識しながら、別に誰が主力とかそういうのは関係なくやっていきたいと思います」と乾はフォア・ザ・チーム精神を第一に、日々の練習を積み重ねている。

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