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プレミアで人違い退場の誤審。ビデオ判定導入の議論再燃か

text by 編集部 photo by Getty Images

プレミアで人違い退場の誤審。ビデオ判定導入の議論再燃か
人違いで退場になるMFブラウン【写真:Getty Images】

 現地2月28日に行われたプレミアリーグ第27節のマンチェスター・ユナイテッドとサンダーランドの一戦で、サンダーランドのDFウェズ・ブラウンが人違いで退場を命じられた可能性があると、英複数メディアが報じている。

 ブラウンは64分にユナイテッドのFWラダメル・ファルカオをエリア内で倒したとしてレッドカードを提示された。しかし、映像を確認すると、チームメートのDFジョン・オシェイがシュートを放とうとしたファルカオを手で押さえ込んでおり、ファウルを犯した該当選手はブラウンではなかったことが分かる。オシェイは主審にファウルを犯したのは自分だと詰め寄ったが、判定は覆らず、ブラウンはそのままピッチを後にした。

 この一件についてイングランドプロ審判協会は「ロジャー・イースト主審の位置からは、オシェイとブラウンの両者が接触したように見えた。彼はシュート体勢に入ったファルカオを倒したのはブラウンだと判断したんだ。イースト主審は他の審判団とも相談したが、彼より良い位置に立っていたものはいなかった」と状況の難しさを主張した。

 該当選手以外を退場させた事例は他にもある。2014年3月22日に行われたプレミアリーグのチェルシーとアーセナルの一戦では、アンドレ・マリナー主審が、MFエデン・アザールの放ったシュートに対してエリア内でハンドを犯したMFアレックス・チェンバレンではなく、全くプレーに関与していなかったDFキーラン・ギブスを間違えて退場させてしまったことがある。

 誤審騒動の解決策として度々持ち上がるのが、ビデオ判定導入の有無である。プレミアリーグでは、2013年からゴールラインテクノロジーを採用しているが、全てのインプレーに対する映像判定は行っていない。

 国際サッカー連盟(FIFA)は2月28日にビデオ判定の追加導入や試行を認めないと発表した。しかし、審判はプレーのスピードに追いつけず、何が起こったのか把握できない状態で判断を強いられていることも事実である。

 プレミアリーグは最新技術に頼らず、審判だけで試合を裁く手段を見つけることはできるだろうか。

【了】

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