日本サッカーの短所である守備戦術。小学生年代からどう指導する?

「日本が世界と戦うには…」。そう呪文のように唱えながら、昨今多くの指導者が様々なチャレンジを繰り返してきました。そして、「攻守に連動すること」とある一つの方向性にたどり着き、トレーニングを重ねてきました。しかし、解説者をはじめ、国内外の識者からは「日本はチームとしての守備戦術が未熟だ」とよく言われています。そこで、ヨーロッパでの指導経験を持つ村松尚登氏と中野吉之伴氏に「ジュニア世代から守備戦術を身につけさせるには?」というテーマで話をしてもらいました。

2015年03月09日(Mon)16時00分配信

text by 木之下潤 photo Getty Images , junior soccer editorial staff
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ドイツのある指導者が提案したトレーニング法

――最近、本誌の取材で様々な方々にお話を聞いていると、「日本はチームとしての守備戦術が未熟だ」ということを耳にします。これは、本誌最新号の特集テーマ「チームプレー」と重なるところですが、チームとしての守備戦術を身につけさせるためには、どうアプローチすべきだと、お二人はお考えですか?

日本サッカーの短所である守備戦術。小学生年代からどう指導する?
中野吉之伴氏と村松尚登氏【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】

中野 ちょうどこの間、ドイツの指導者仲間と守備戦術の練習方法について話をしたところでした。彼から教えてもらった、チーム全体としての守備の仕方(動き方)を身につけさせるために行っているトレーニングを一つご紹介します。前提として、ジュニア世代で一般的な8人制サッカーでの話です。

 まず、フォーメーションは「1‐3‐3‐1」です。ここがおもしろいのですが、全員を積極的にゲームに参加させるため、ディフェンダーを置きません。つまり、GKを一人据え、最終ラインの3は中盤、その前の3は攻撃的MF、1はFWという設定をするのだそうです。

 すると、「ディフェンダーがいないから中盤でしっかり守らなければいけない」という概念が選手たちに擦り込まれます。FWも攻撃的MFも中盤も攻守にボールに絡む動きが求められるわけです。

 特に低学年のチームだと、ディフェンダーと伝えてゲームをやらせると、守る人だと思い込んで攻撃に参加しようとしないし、中盤も攻撃の選手も守備がいるから守るときに細かいポジション修正をさぼりがちになります。

村松 おもしろい考え方です。11人制のサッカーで言えば、守備ラインをなくし、中盤と攻撃の2ラインでゴールをわらせないように守らなければいけないということですね。

中野 ええ。ようするに、「全員守備、全員攻撃」というサッカーの基本的な考えを植えつけようとしているだけなんです。攻撃と守備をわけて考えるのではなく、もっとアグレッシブにボールに、ゲームにかかわろうということをそのドイツ人指導者は教えたいと思い、ディフェンスを排除することを考えついたのだと思います。まあ、一つのアイデアですね。

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