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1点差ゲーム、バルサ対マンCは本当に僅差だったのか? データから見える圧倒的なバルサの強さ

text by 植田路生

ドリブル勝負での数では大きな差が

1点差ゲーム、バルサ対マンCは本当に僅差だったのか? データから見える圧倒的なバルサの強さ
図2:各選手の平均ポジショニング

 ところが、それで弱くなったとは言えない。図にはないが、こんなデータもある。この試合、1対1の場面でドリブルを仕掛けた回数はバルサの77回に対し、シティは21回。特にメッシは1人で28回仕掛け、23回勝利した(1回は勝敗付かず)。

 シティのトップがアグエロの6回挑戦3回勝利(1回勝敗付かず)と比べ、バルサはメッシ以下にネイマール:18回挑戦11回勝利(2回勝敗付かず)、スアレス:11回挑戦8回勝利、イニエスタ:5回挑戦4回勝利(1回勝敗付かず)、アルバ:5回挑戦4回勝利と続く。

 攻撃的な選手がこれだけドリブルで勝利していれば、自然とチャンスも増えるというもの。ファイナルサードでパス本数が控え目になったのは、ドリブルでゴールへと迫っていたからだろう。

 ちなみにこの試合、バルサは23本のシュートを放ったが、GKは11本もセーブした。敵味方に試合後から称賛されたジョー・ハートだが、その活躍はデータでも証明されている。

 図2は各選手の平均のポジショニングだ。メッシは右サイドが基本ポジションだが、プレーエリアは中央に近い。これにより、ダニエウ・アウベスは自由にオーバーラップが可能だ。データではDFというよりもMFと言っていい位置にいる。

 対するシティはバルサの右サイドへの対応を強いられたため(バルサから見て)左サイドに選手が寄っている(ミルナーが中央にいるのは、後半からポジションチェンジしたため)。だが、失点シーンはカウンターからバルサの右サイドを突破され、最後はガラ空きになった左サイドにいたラキティッチがフリーでボールを受けて流し込んだ。

 カウンターという場面ではあったが、教科書通りに左右に揺さぶられ、ぽっかりと穴を作られた。試合を通して、バルサは21回のカウンターアタックを仕掛けている。逆転を目指すシティが攻撃偏重になったことはあるが、しっかりとした狙いであり、じわじわとイングランド王者を追い詰めていった。

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