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ファーガソン氏、ビデオ判定導入の是非に言及「審判の権限を弱める」

text by 編集部 photo by Getty Images

ファーガソン氏、ビデオ判定導入の是非に言及「審判の権限を弱める」
テクノロジーの追加導入に反対するファーガソン氏【写真:Getty Images】

 元マンチェスター・ユナイテッド監督のアレックス・ファーガソン氏が、プレミアリーグのさらなるテクノロジー導入に否定的な見解を述べている。

 イングランドでは今季、審判による”人違い”の問題が相次いでいる。2月28日のマンチェスター・ユナイテッド対サンダーランド戦では、サンダーランドのDFウェズ・ブラウンが、実際に反則を犯したDFジョン・オシェイと間違われて退場となる事件が起きた(後の審議でブラウンのレッドカードは取り消し)。

また、3月21日のマンチェスター・シティ対ウェスト・ブロムウィッチ(WBA)戦でも、WBAのDFクレイグ・ドーソンが反則を犯したにも関わらず、同僚のDFガレス・マコーリーが人違いで退場処分となっている。

 誤審が相次いだことで、英国内ではビデオ判定導入の機運が高まり、イングランドサッカー協会(FA)のグレッグ・ダイク会長がテクノロジーの追加導入を試したい意向があることを明かしている。しかし、オールド・トラフォードで25年間に渡り審判団と判定を巡って争ってきたファーガソン氏が、過度なテクノロジーへの依存に警鐘を鳴らしている。

 英紙『デイリー・ミラー』でファーガソン氏は「彼らはテクノロジーについて議論しつづけている。その結果、ゴールライン・テクノロジーは導入された。しかし、警告や退場、あるいはFKのためにまでそれが使われるべきではない。リスタートを増やせば、ゲームの流れを切り、迅速に試合を進めることが本当に難しくなる。

 テクノロジーは今後も進歩していくだろう。だが、ビデオ判定の導入はあらゆる面で審判の権限を弱めてしまい、試合のスピード感を損なわせる。ゴールテクノロジーの導入は有意義だったが、それ以外はそのままにしておくことが一番だ」と主張した。

 尚、国際サッカー連盟(FIFA)は、2月28日に準備不足を理由に現段階でのビデオ判定の追加導入は認めないことを発表している。

【了】

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