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スペイン在住記者が問う、久保くんをめぐる喧騒の是非。メッシ同僚のケースから見る、才能を開花させる難しさ

text by 山本美智子 photo by Getty Images

執拗に久保くん追うカメラ。ルール無視の日本メディアに現地では……

 結果的に、私は試合の最初の15分という条件で撮影を許可されたが、その後、スタッフコーチがかつて起こった日本メディアとのアクシデントについて話してくれた。

 曰く、「撮影は最初の15分だけ」「本人だけを追うようなことはしない」「試合の邪魔はしない」などの条件がクラブ側からつけられたにもかかわらず、その日本のテレビ局はルールをはなから無視し、久保くんのみを執拗に追い、それもほぼ試合中ずっと撮影を続けたのだという。

 それに気を取られ、試合に集中できなかった久保くんはまったく活躍できず、そんな自分に失望し、落ち込んだ。「その後、本人が精神的に立ち直るまで、ほぼ1週間を要したのだ」と、関係者はまだ怒りがおさまらないという様子で説明してくれた。

 私には直接関係ない出来事ではあったが、同じ日本人、日本メディアとして、恥ずかしく申し訳なかった。

 私たちには報道の義務という大看板があるが、それを盾にすれば何でも許されるわけではない。特に未成年の扱いには、大人である私たちがより慎重になる必要があると思う。彼が天才的にうまいのは事実だが、それは久保くんだけではない。

 一緒にプレーしているチームメートには、将来、有望として注目されている選手がたくさんいる。だがその中で10年後、23歳の時点でプロとして続けていられる選手が、果たして何人残っているだろうか。

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