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米捜査当局、賄賂横行のFIFAに憤り「詐欺のW杯。今日レッドカードを突きつける」。賄賂隠す文書の存在も明らかに

サッカー界が揺れ動いているFIFAの幹部逮捕。長年にわたって調査していたFBIなどアメリカの捜査当局は記者会見を開き、報道陣の質問に応えた。FIFAは「我々は被害者」と語っていたが、当局は異なる見解を持っている。言葉からは怒りが感じられる。

text by 編集部 photo by Getty Images

「関係者は無償で働いたが、1000万ドル(約12億円)以上の賄賂を…」

米捜査当局、賄賂横行のFIFAに憤り「詐欺のW杯。今日レッドカードを突きつける」。賄賂隠す文書の存在も明らかに
ロレッタ・リンチ司法長官【写真:Getty Images】

 27日に6人のFIFA幹部が汚職容疑で逮捕され、8人を指名手配したことに関し、アメリカ司法省が記者会見を行った。

 出席したのはロレッタ・リンチ司法長官、ケリー・カリー検事、ジェームズ・コミーFBI長官、そして米国歳入庁(IRS)のリチャード・ウェーバー捜査課長である。

 以下はその記者会見の要旨をまとめたものだ。

ロレッタ・リンチ司法長官

「今回逮捕および指名手配された14人は大きな責任を持っていたため、サッカーファンは裏切られた。

 サッカー界における贈収賄や汚職について長い時間をかけて調査してきた。恐喝や詐欺、マネーロンダリングなど、20年にまたがって47件の起訴状がある。

 1991年からアメリカが加盟しているCONCACAF(北中米カリブサッカー連盟)とCONMEBOL(南米サッカー連盟)のトップやスタッフが、自身の立場を利用して収賄を行った。

 2010年大会の開催地決定に向けた動きは2004年に始まったが、FIFAの関係者が賄賂を受け取ってその決定に影響を与えた。ある実行委員会の関係者は無償で働いたが、1000万ドル(約12億円)以上の賄賂を受け取っていた。

 今朝、CONCACAF本部の家宅捜索が行われた。すでにCONCACAFには連絡しており、改善すべきだと考えている。

 今回の一連の騒動についてはニューヨークの訴追者たち、ロサンゼルスのIRS局のスタッフのおかげで成し遂げられた。スイスの関係者たちにも感謝したい」

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