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来る独杯決勝、主役はクロップ。ドルトムントを去る指揮官がドイツサッカー界にもたらした功績

いよいよユルゲン・クロップ監督のドルトムントでの最終戦が訪れる。ヴォルフスブルクとのドイツカップ決勝に向け、現地メディアは“主役”として注目。これまでにドイツサッカー界にもたらした功績を讃えている。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「ユルゲン・クロップはBVBの顔だった」

来る独杯決勝、主役はクロップ。ドルトムントを去る指揮官がドイツサッカー界にもたらした功績
「ユルゲン・クロップはBVBの顔だった」とドイツ代表ヨアヒム・レーブ監督は話している【写真:Getty Images】

 主役はユルゲン・クロップだ。DFBポカールの決勝を30日に控えて、メディアからはそんな声が聞こえて来るようである。

 2015年5月27日付のシュポルトビルト誌は表紙に「クロップ:彼の大きな決勝戦」と見出しを付けた。26日付のキッカー紙は表紙でクロップの写真とともに「ポカール決勝を前にしての大きな感情」としている。

 キッカー紙では6ページに渡るクロップの特集が組まれた。ドイツ代表監督ヨアヒム・レーブやバイエルンの名誉会長フランツ・ベッケンバウアーといった著名人の、ドルトムントを去る指揮官へのメッセージが綴られている。彼らの言葉を元にして、ここではドルトムントの7年間におけるクロップの功績を考えてみたい。

 レーブは「ユルゲン・クロップはBVBの顔だった」と話している。クロップが08年にドルトムントの監督に就任してから、再びチームを軌道に載せたことに感銘を受けているという。

 97年に欧州チャンピオンズリーグで優勝して、02年にブンデスリーガを制覇したBVBだが、その後は徐々に低迷する。財政状況は悪化して、05年には約156億円の負債を抱えて倒産寸前だった。レーブは「特に若い選手に対して手腕を発揮する」とクロップを評価する。

「モチベーションを喚起して成功させることが出来る。彼の下で多くの代表選手が素晴らしい成長を遂げたね」

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