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ジュニサカ 9年前

バルサはサッカーを超えた!? ハンドボール化する最先端戦術

text by ジュニサカ編集部 photo by getty images , editorial staff

“ゴールを狙う意識”を持つこと

バルサはサッカーを超えた!? ハンドボール化する最先端戦術
男子ハンドボールU-21日本代表のコーチの吉村晃氏【写真:ジュニアサッカーを応援しよう!編集部】

 ヨーロッパのチャンピンズリーグもあるのですがバルセロナは今年も最後まで勝ち進んでいます(※今シーズン、バルセロナはハンドボールチームもチャンピオンズリーグで優勝。ハンドボールチャンピオンズリーグ最多優勝チームでもある)。

 メッシや他の選手たちもよくハンドボールの試合を見に来ているそうです。そういった環境があるので頻繁に情報交換も行われているのかもしれません。

 そもそもハンドボールはヨーロッパでは普通にテレビ中継しているなど結構メジャーなスポーツなんです。

──ヨーロッパではチャンピオンズリーグもあってメジャーなスポーツだということを考えれば、ハンドボールを見る習慣があったバルセロナ(特にグアルディオラ監督時代)とハンドボールを見る習慣がほぼない日本のチームがバルセロナのサッカーを参考にしているだけでは中身に開きが出てくるのは納得できます。では、ハンドボール側の立場から見て、サッカーに活かせるハンドボールのエッセンスはどこかありますか?

 むかしサッカーコーチの方から聞いたのですが、日本の育成現場では、まず最初にインサイドキックやトラップを教えこむことが多く、それをずっとやるチームもあるくらいだと。

 しかし、アルゼンチンなどのサッカー強豪国ではインサイドキックやトラップを教えこむことはほとんどないので、自然とアウトサイドでのプレーが多くなる、ということを聞いたことがあります。

 その点を踏まえるとアウトサイドでドリブルしながらそのままの流れでパスを出すという形はハンドボールのドリブルやパス回しに近いので、そのあたりをうまく“ゴールを狙う意識”とオーガナイズさせればおもしろいかもしれません。

 どちらも四角いゴールにボールを入れた数を競い合うスポーツであることは間違いないので、まずは身体をしっかりとゴールに向けて“ゴールを狙う意識”を持つことが重要だと僕は核心しています。

【了】

プロフィール

吉村晃(よしむら・あきら)
1984年10月30日生まれ。兵庫県出身。2013年から日本ハンドボールリーグ・豊田合成ブルーファルコンでヘッドコーチを務める傍ら、男子ハンドボールU-21日本代表のコーチも務める。2012年にはハンドボールの本場・デンマークにコーチ留学。自身のブログ(AY-COPENHAGENハンドボール化するサッカー)ではハンドボールとサッカーの類似性や戦術に関して執筆もしている。

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