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日本代表 9年前

【英国人の視点】日本が、アジアが誇るべき女子サッカー。高まる競技力は世界にも影響与える

大会前、決して楽観視はされていなかったなでしこジャパン。しかし、W杯が始まれば4連勝で準々決勝へ進出。日本以外にも中国とオーストラリアが8強に残るなどアジアの女子サッカーは世界をリードしている。

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

ドイツW杯優勝の経験と自信を取り戻したなでしこ

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なでしこジャパンはオランダ代表に勝利を収め、ギアを入れ直した【写真:Getty Images】

 サッカー女子日本代表は、今回のワールドカップを手探りのまま始め、グループステージで自分たちのベストフォームを見出すことに苦戦していたかもしれない。しかし、決勝トーナメントに入ったなでしこジャパンは、オランダ代表をコントロールして勝利を収め、ギアを入れ直したようだった。

 阪口夢穂のセンセーショナルなゴールはその最たる例であり、佐々木則夫監督が率いるなでしこジャパンは、まるで2011年ドイツW杯での経験と自信を取り戻してきているようだ。

 オランダ戦で先発した10選手はすでに優勝メダルを保持しており、4年前の成功が今大会に及ぼしている影響は過小評価されるべきではないだろう。

 前回大会と同じメンバーを17人も選手した佐々木監督の決断は、日本が新しいタレントを十分に育成できていないという懸念を生んだ。実際、2011年のフランクフルトでの決勝に先発しなかった3選手(有吉佐織、宇津木瑠美、大儀見優季)は全員26歳を超え、2015年大会のメンバーを見ても24歳以下は4選手しかいない。

 岩清水梓、澤穂希、宮間あやの大黒柱が引退を決意するほどチームが次の段階に成長していないことは心配の種だが、国際舞台の世代交代は時間がかかるものであることも事実であり、澤を除く選手全員が次のW杯でも引き続きプレーする可能性はある。

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