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Jリーグ 9年前

【番記者の視点】わずか50時間決着、レナト電撃移籍の真相。川崎は攻撃陣の穴をどう埋めるのか?

text by 竹中玲央奈 photo by Getty Images

タイトルを切望していたレナト。日本を去る日には…

「このあともレナトの後に誰か入ってくるかわからないですけど、競争なので。結果出した奴が一番なので、そういう部分でしっかり取れるように集中したい」杉本はこう語っていたが、レナトというポジションを確約されていた選手が抜けたことは、彼らにとって千載一遇のチャンスなのである。

 レナトが空けた“椅子”を、必死になって複数の選手が奪いに行く。ここの戦いの活性化がチームにとってプラスに働くことは間違いない。もちろん、レナトと同じプレーを求めるのは無理であるが、それぞれが持つ個性を発揮して、その穴を埋めきって欲しいと願う。

 渡航前、最後の試合となったFC東京戦の後に、レナトはこう言っていた。

「チームとしてはすごくいい状況、いい状態でここまで来ている。でももう1つ何が足りないかと言ったらタイトルだし、この歴史は残念に思います。でも、チームとしてタイトルを獲ることがまた新しい歴史になるし、チームを成長させると思います。とにかく最後までしっかり戦って、今シーズンはタイトルを獲りたいです」

 実は筆者は幸運にも、最後にクラブハウスを後にするレナトに会うことができたのだが、彼の表情からは、どこか申し訳なさを感じているように思えた。自らがタイトルを導けなかったからであろう。

 だからこそ、残された選手たちは彼が成し遂げられなかった思いを背負って、川崎フロンターレの新たな歴史を作らなければいけない。後半戦、クラブとして本当の真価が問われる。

【了】

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