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武藤退団の影響を認めるフィッカデンティ監督「彼のような選手はいない」

text by 編集部 photo by Getty Images

武藤退団の影響を認めるフィッカデンティ監督「彼のような選手はいない」
FC東京のフィッカデンティ監督【写真:Getty Images】

 FC東京は29日に行われた明治安田生命J1リーグ2ndステージ第5節でベガルタ仙台と対戦し、3-1で勝利を収めた。チームの大黒柱だった武藤嘉紀が移籍してから波に乗り切れないFC東京にとって重要な1勝になったようだ。

 試合後、マッシモ・フィッカデンティ監督は「武藤が出ていってから、我々は新たな解決策を探している。もちろんそれは簡単なことではない。なぜならよっち(武藤の愛称)のようなクオリティを備え、誰とでも共存できる選手はいないんだ」と、エース離脱の影響が大きいことを認めている。

 だが、武藤退団からの短期間で2人の外国人選手を迎えて戦力を補強した。いまのところ結果には結びついていないが、フィッカデンティ監督は全く心配していない。「日本の試合はかなり速く、ゲームにふさわしいリズムを理解することが重要になる」と語っており、外国人誰もが苦しむ課題を理由に挙げた。

 スペイン人のサンダサはスタメンで起用される機会も増えてきた。バーンズは初ゴールこそ決めたものの未だ出場時間を伸ばせていない。フィッカデンティ監督は「サンダサはフィジカルが強いが、チームに馴染むことが必要だ。私はこれまでバーンズよりも彼を使ってきたが、バーンズはコンディションを改善する必要がある」と、コンディションに差があることを指摘した。

 オフシーズンの国々から来た2人はコンディション調整に時間がかかっている。バーンズは代表チームでプレーしていたが、クラブではしばらく試合をしておらず、サンダサも日本の暑さに苦しめられているという。

 なかなか勝ちが続かない状況の続くFC東京だが、フィッカデンティ監督は長期的な目線で未来を見据えている。「2人の外国人選手を同時にチームへ組み込むのは容易ではないが、我々は急いでいない」と述べたうえで、「他の選手もおり、最近は前田が素晴らしい活躍を見せている。彼はファンタスティックなゴールを決めた。パスカットからチップキックまで、美しかった。本当に」と、仙台戦2得点で快勝に大きく貢献したベテランを絶賛した。

 前半戦首位だった浦和レッズが足踏みし、年間総合順位は3位。ここ数年最高の成績を記録しており、悲願のタイトルも視野に入っている。フィッカデンティ監督は徐々に外国人をチームにフィットさせながらさらなる上位進出を狙っている。

【了】

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