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ハリルホジッチ監督、日本サッカーに提言「真実を見よ。これが日本の現状」

text by 編集部 photo by Getty Images

ハリルホジッチ監督、日本サッカーに提言「真実を見よ。これが日本の現状」
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

【日本 1-2 北朝鮮 EAFF東アジアカップ2015】

 日本代表は2日、中国・武漢で開催中の東アジアカップ初戦に臨み、北朝鮮代表と対戦して1-2で逆転負けを喫した。試合後の記者会見に出席したヴァイッド・ハリルホジッチ監督は日本サッカーに対して疑問を投げかけている。

「がっかりしている」と切り出した指揮官は、「われわれはこの試合に勝つためにしっかり準備をしてきた。スタートは良かったし、得点をとるための機会も作った。しかしチームのフィジカル的な問題で、最後まで持ちこたえることができなかった」と、大会直前の過密日程が選手たちに大きな影響を及ぼしていることを指摘する。

 負傷者を抱えており、この試合を経てさらに疲労を溜めてしまった選手もいるため次の試合はメンバーを入れ替えると明言したが、「このような大会の場合、少し準備期間が欲しかった。日本のフットボール界は疑問を抱かないといけないと思う」と、代表チームとしての大会へのアプローチに疑問を呈した。

 フィジカル面だけでなく、代表での経験が浅い選手が多い中で戦術を浸透させるトレーニングも十分にできずに初戦を迎えた。さらに疲労の蓄積で今後もハードなトレーニングはできない。

 ハリルホジッチ監督は「この失敗した試合に関しては多くのディスカッションをしないといけない」と語気を強める。これでは選手たちと議論を重ねて互いの理解を深めても全く意味がなくなってしまう。

 今回の敗戦はどこに問題があったのか、しっかりと検証されなければならないだろう。もちろんリーグ戦の日程を考えなくてはならないが、ハリルホジッチ監督は「日本のフットボール界の責任ある方々は、今日何が起こったかをしっかり見てほしいと思う」と協会内部に対して語りかけた。

「我々に対して、きちんと疑問を抱かなければならない試合だった。この大会に入る前にも疑問を投げかけたが、今日もそれを繰り返そう。残念ながら私のほうに理はあると思う。真実を見ないといけない。これが日本のフットボールの現状だと思っている」

 世界を知り、日本サッカーのために尽力する指揮官は、この国の問題点をしっかりと把握している。アジアでも苦戦するようになった日本代表、そして日本のフットボールに何が必要なのか、いま一度すべての人間が考え直さねばならない時が来ているようだ。

【了】

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