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日本代表 9年前

攻撃陣が機能しなかったハリルJ、堅守も速攻もなし。失われてしまう“大会の意義”

日本代表は5日、東アジア杯で韓国代表と対戦し、1-1で引き分けた。大会連覇のためには勝利するしかなかった日本だが、森重がハンドで与えたPKで失点。山口のミドルシュートで同点に追いつくが、勝ち越しには至らなかった。敗れはしなかったが、連覇の可能性がなくなり、負けに等しい結果ともいえる。韓国を前に攻撃の形を全く作ることが出来ず、次戦の中国戦の結果や内容次第では、大会の意義すらも失われてしまうかもしれない。

text by 西部謙司 photo by Getty Images

堅守でもなく速攻もできない

無策のハリルJ、堅守も速攻もなし。失われてしまう“大会の意義”
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 北朝鮮戦に続いて、日本の堅守速攻プランは不発に終わった。

 最大の問題は攻撃ができない、速攻にならないこと。トップに起用された興梠は初戦の川又よりボールを収められる選手だが、それでも成功率が低すぎてポストワーカーとして全くといっていいほど機能していない。

 では、奪ったボールを後方で確保できるかといえばこれもダメ。自陣でのつなぎをミスして自らピンチを招く場面も少なくなかった。

 ポストワークもビルドアップもできないのでは攻めようがない。韓国のミスを高い位置で引っかけるしかチャンスの可能性がなかった。

 引いてブロックを作ったときの守備はそこそこ強さをみせられたとはいえ、どちらかといえば韓国の拙攻に助けられただけといえる。

 もともと韓国は中央にはパスをつながないチームだ。中央でボールを失うリスクを嫌うので、パスワークはほとんどU字型の迂回コースのみ。日本としては守りやすかったはずだ。

 サイドに行き着いたときは中央の長身キム・シヌクへのハイクロスを狙うのだが、キム・シヌクは敏捷性がないので、よほど正確なボールでなければ落下点に入れない。セットプレーも含めて日本の守備陣は韓国の精度の悪さに助けられていた。

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