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日本代表 9年前

悔しいドローにも収穫見えた日韓戦。タフな守りを見せた守備陣、変化をつけた山口&倉田

text by 元川悦子 photo by Getty Images

前向きに語る山口と遠藤

悔しいドローにも収穫見えた日韓戦。タフな守りを見せた守備陣、変化をつけた山口&倉田
MF山口蛍(左)とDF遠藤航(右)【写真:Getty Images】

 守備陣が粘り強くタフな守りを見せる一方で、攻撃陣もタテ一辺倒になりがちだった北朝鮮戦の反省を踏まえて、緩急をつけながらの攻めを構築した。その仕事に率先して取り組んだのが、同点弾を決めた山口と初キャップの倉田秋(G大阪)。彼らは2011年に1シーズンだけセレッソ大阪でコンビを組んだ間柄。

「僕らはセレッソでやってるからやりやすさがあった。秋君はタメも作れるし、なおかつ上下に走れるからすごくいいアクセントになっていた」と倉田からゴールのお膳立てをしてもらった山口も前向きに語っていた。

 後半途中からピッチに立った宇佐美貴史(G大阪)も「前へ前へって言うよりは、横の時間もつけ加えながらやらないと体力的に持たない。監督からもそういう話は出たし、そこはすごく改善した部分」と前回とは攻めのリズムが明らかに違ったと強調した。もちろん韓国に主導権を握られる時間は長かったが、これを続けていけば、もう少し日本の形で攻められるはず。そういう意味でも光明が差したと言っていいだろう。

 この日が初キャップだった倉田と藤田がJリーグでプレーしているような自然体でピッチに立てたこと、代表2戦目の遠藤航(湘南)も守備面で抜群の安定感を見せたことなども、韓国戦の収穫ではないか。

「球際は自分の中では意識はしていて、そこで負けないことは自分のよさ。北朝鮮よりは相手と五分五分の戦いになったかなと思いますけど、そこまで自由にやらせなかったところは続けていければいいかなと。キム・ミヌ(7番=鳥栖)が中に入ってきて難しいところがあったけど、全体的には守備のバランスは悪くなかった」と遠藤航自身も手ごたえをのぞかせた。内田篤人(シャルケ)が長期離脱中で右サイドバックの人材が手薄になっている今、彼が使えるメドが立ったのはやはり大きいだろう。

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