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リーグ1の“異端児”ビエルサ、突然の辞任はなぜ? フランス流に染まらない傍若無人なエゴイスト

マルセイユを率いるマルセロ・ビエルサが開幕戦の直後に辞任を表明した。エル・ロコ(変人)の愛称そのままに多くの話題を提供してきた人物だが、その辞任劇の裏にある真相とは。

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

来季末までの2年延長に合意も…

リーグ1の“異端児”ビエルサ、突然の辞任はなぜ? フランス流に染まらない傍若無人なエゴイスト
リーグ1開幕戦の直後に辞任を表明したマルセロ・ビエルサ氏【写真:Getty Images】

 8月7日、リール対パリ・サンジェルマンで新シーズンの幕を明けたリーグ1に、突如衝撃が走った。土曜に行なわれたマルセイユ対カーン戦(0-1でマルセイユが敗戦)の後の会見で、ビエルサ監督が辞任を発表したのだ。

 ビエルサ監督の去就については、ここまでもなかなか明確になっていなかった。昨夏、就任が決定した際の契約内容は「基本は2年契約だが、1年後に解除できる」というもので、実際、昨シーズンが終わりオフに入った時点でも、ビエルサが続行するかは正式には発表されていなかった。

 プレシーズンのトレーニングが再開したあとも、アルゼンチンに帰省していたビエルサは初日からは合流していなかった。オフ入り後もミーティングなどがあってバカンスに入る時期が遅れたというのがその理由だったが、実際に彼がマルセイユに戻ってきて初めて「ああ、今シーズンも続行するのだな」と周囲は納得したのだった。

 そうしてようやく開幕を迎えたと思ったら、初戦のあとにこの爆弾発言、である。その理由をビエルサは、ラブルーヌ会長宛ての手紙にしたためていた。入手した地元紙『ラ・プロヴァンス』が全文を掲載したところによると…。

 昨シーズンの終わりごろ、5月から6月、7月にかけて、ビエルサはラブルーヌ会長やジェネラル・ダイレクターのフィリップ・ペレス氏らと何度も何度もミーティングを重ね、お互いの条件を擦り合わせながら契約について話し合ってきた。

 その結果、2015年7月末でいったん無効になるはずだった契約を、来季末まで2年延長することで合意に至ったのだった。

 ところが…。

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