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Jリーグ 9年前

東京Vの快進撃を支える高木大輔。ストライカーとして覚醒した三男の飽くなき向上心

text by 藤江直人 photo by Getty Images

支えになった父からのメッセージ

 急成長をとげてポジションをつかみ、ヴェルディを加速させてきた大輔は後半10分にイエローカードももらってしまう。累積警告で15日の徳島ヴォルティス戦が出場停止となるが、竹本ゼネラルマネージャーは「他の選手にはチャンスとなる」と横浜FC戦後にこう語っている。

「今日は菅嶋(弘希)もいいプレーをしていたし、ウチにはアラン・ピニェイロ、ブルーノ・コウチーニョと攻撃系のブラジル人選手もいる。彼らにももっとチームのなかに入ってきて、数字を残してほしい。大輔の出場停止は残念だけど、ほかの選手がギラギラしてくれれば。お兄ちゃん(善朗)もウチでまだ先発していないから、ギラギラしているんじゃないかな」

 大輔も「チームには迷惑をかける」と出場停止となることに頭を下げながら、味の素スタジアムで行われる23日の愛媛FC戦では再びポジションを奪うと力を込める。

「いい準備をして、ホームで3試合連続ゴールを奪えるように頑張りたい」

 間もなく34歳になるベテラン、FW平本一樹も虎視眈々と先発復帰を狙っている。大輔の台頭でポジション争いが一気に激しさを増し、競争意識が高まったこともチーム力の底上げにつながっているのだろう。

 長男のFW俊幸(浦和レッズ)を含めた3兄弟の父で、元プロ野球選手の豊さん(現野球解説者)から大輔のもとには、最近になって頻繁にLINEでメッセージが届くという。

「まめに試合をチェックしてくれているみたいなので、『おめでとう』とLINEしてくるんですよ」

 昨シーズンまでの2年間で、わずか1ゴールだった三男の活躍がよほど嬉しいのだろう。長丁場のJ2戦線も残り14試合。二男と共演する機会も毎試合のように訪れ、何よりも8シーズンぶりとなるJ1昇格へのチャンスが大きく膨らんでいる。

 父から子へ。そして、子から父へ。ヴェルディの快進撃が続くほどに、LINEでのメッセージ交換の頻度も増えていくはずだ。

【了】

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