「左翼のフットボールこそが人々を幸せにできる」賢人メノッティが語るフットボール美学

8月17日(月)発売『欧州フットボール批評special issue03』では、かつて「左翼のフットボールと右翼のフットボールがある」という有名な言葉を発したセサル・ルイス・メノッティのインタビューを掲載。監督としてアルゼンチンを自国開催のW杯で優勝に導いた“思想家”は、現代フットボールをどのように解釈しているのか。一部抜粋して掲載する。(翻訳:江間慎一郎)

2015年08月20日(Thu)10時08分配信

text by トニ・フリエロス photo Getty Images
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左翼のフットボールに見られる芸術性

――政治思想において、自身をマルクス主義者と称するあなたは、フットボールにも左翼と右翼があると論じたことがありますね。

「左翼のフットボールこそが人々を幸せにできる」賢人メノッティが語るフットボール美学
1980年当時のセサル・ルイス・メノッティ。現在、タバコは断っている【写真:Getty Images】

M 私がアルゼンチン共産党を支持しているのは周知の通りだ。左翼思想は人民の側に寄り添うものであり、フットボールとともにある。偉大なる歌手、俳優なども伝統的に左翼から生まれてきたし、だからこそ私は人々を幸せにできる左翼のフットボールとともにある。豊満かつ芸術的で、崇拝されるものこそが左翼のフットボールであり、私はそれに寄り添い続けてきた。対して、右翼のフットボールは「人生は闘い」と定義し、柔軟性のない無機的な規律に選手を縛り付ける。ただ勝利だけを目指してね。

――グアルディオラが実践するポゼッションスタイルは、左翼のものになるのでしょうか。

M その通り。最高の模範だよ。より創造的であり、人々から礼賛されるのが左翼のフットボールだ。それは人々にとって誇れるものであり、ファンはクラブへの帰属意識も手にすることができる。

 一方で右翼のフットボールについては、ただただ金任せであり、結果以外のことには目もくれない。それは人々の思いを汲むことなどなく、記憶にだって残りはしないんだ。

 結果だけを重視したとしても、一体誰の心に刻まれると言うんだ? モウリーニョがインテルとともに三冠を達成した出来事が、現在も日本のメディアで取り上げられているのか? だが私と君は今なお、グアルディオラのバルサについて語り合っている。この事実は、あのチームが不滅のものになったという証明だろう。

――カウンターを主力武器とする左翼のフットボールは存在し得ないのでしょうか?

M そもそも、カウンターを攻撃の基盤とすることは不可能だ。カウンターは突然生じる恋心のようなものであり、計算に入れることなど絶対にできない。プレーアイデアに含めること自体が愚かなんだよ。カウンターはピッチ上で生じるものではあるが、決して予期できやしない。カウンターだけのチームなど、この世には存在しないんだ。

 それをプレーアイデアと勘違いした両チームがピッチで相対すれば、ボールはセンターサークルにとどまることになる。(全文は『欧州フットボール批評03』でお楽しみください)

欧州フットボール批評03 欧州主要20クラブ 新シーズンの陣容診断

『欧州フットボール批評03』
定価1242円

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