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プレミアリーグで異例の給水タイム導入。気温30℃以下で設けられた理由とは

text by 編集部 photo by Getty Images

プレミアリーグで異例の給水タイム導入。気温30℃以下で設けられた理由とは
給水タイムに水分を補給するトッテナムの選手たち【写真:Getty Images】

 プレミアリーグ第3節が現地22日に行われた。この日各地で行われた試合で、イングランドでは珍しく給水タイムが設けられた。

 日本では夏場になると必ず設けられるのが一般的になった給水タイムだが、世界的にはあまり見られない。これには大きく分けて2つの理由がある。

 1つはイギリスの涼しい気候だ。多くの試合が開始された22日の15時頃、ロンドンの気温は29℃だった。日本人にとってはそれほど厳しくない温度だが、イギリス人には厳しい暑さに感じられるだろう。

 ロンドンは年間を通して気温がそれほど高くなく、真夏でも平均最高気温は20℃ほど。つまり22日の29℃は“猛暑”のような扱いなのだ。

 2つ目の理由はアジア市場への配慮である。高額の放映権料を支払ってくれるアジア圏とはかなりの時差があり、プレミアリーグのナイトゲームはアジアでは深夜か早朝に放送される。

 多額の放映権料を払えばそれだけ影響力が強まり、アジア方面の放送時間を考慮しなければならない。すると自然に15時キックオフ(日本では23時)の試合を増やすことになってしまう。冬場はそれでも問題ないが、夏場は選手たちに暑さと戦いながらのプレーを強いることになる。

 日本で行われる夏場の試合のほとんどは18時以降キックオフになるが、比べ物にならない額の金が動くイングランド独特の悩みが、今回の給水タイム導入を決断させたのかもしれない。

【了】

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