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独から英へ渡った“高価なミドルクラス”。多種多様の反応も…莫大な金額がもたらす影響とは

今夏の移籍市場を最も賑わせたのは、ドイツ・ブンデスリーガからイングランド・プレミアリーグへの移籍だった。天文学的ともいえる金額が動いた両国間の取引だが、その金額がドイツへもたらす影響はどのようなものとなるのだろうか。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

前年の14倍。ブンデスに流れ込んだプレミア・マネー

 ブンデスリーガが新たな局面を迎えている。15/16シーズンの夏の移籍市場を最も賑わせたのは、ドイツを離れてイングランドへと向かう選手たちだった。

 市場が閉じようとする直前の8月31日付の『キッカー』誌は、「新しい状況」と表した。そして「ブンデスリーガ全体にとっての挑戦」と記している。

『キッカー』誌のデータによれば、ドイツからイングランドに移籍した選手の数は、13年は4人だったのが、14年には10人となり、15年、つまり今年は16人となった。選手の数は緩やかな増加傾向にある。

 そして移籍金の額に目を移すと、13年の2940万ユーロ(約39億円)から14年は1500万ユーロ(約20億円)と落ち込んだが、今年は飛躍的に増加した。15年の移籍金の額は、2億1700万ユーロ(約288億円)である。前年に比べて、約14倍のプレミア・マネーがブンデスリーガに流れ込んだ。

独から英へ渡った“高価なミドルクラス”。多種多様の反応も…莫大な金額がもたらす影響とは
『キッカー』誌記載の、今夏ブンデスリーガからプレミアリーグへと移籍した「有力な選手たち」のベスト5

『キッカー』誌は「ブンデスリーガは有力な選手たちを失ったが、信じられないほどの多くの資金を受け取った」と記している。

『キッカー』誌記載の、今夏ブンデスリーガからプレミアリーグへと移籍した「有力な選手たち」のベスト5は図のとおり。順位は移籍金の額を基準とする。

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