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日本代表 9年前

【識者の視点】長友が見せた“意識の変化”。アフガン戦の鍵握るSBの攻撃参加

カンボジアにホームで勝利したものの、相変わらず風当たりの強い状況が続く日本代表。チームを厳しく評価することは成長のためにも大事なことだが、その意味でもゴールが入ったか入らなかったか、失点したかしないかという結果の評価に加えて、チームの狙いと成果を見ながら冷静に評価するための視点やポイントを観る側が高められる様に報道していくのがメディアの1つの役割だ。アフガニスタン戦ではサイドバックの攻撃の関わり方について言及する。

text by 河治良幸 photo by Getty Images

アフガン戦、鍵を握るサイドバックの攻撃参加

【識者の視点】アフガン戦の鍵握るSBの攻撃参加。カンボジア戦で見られた長友の“意識の変化”
日本代表の長友佑都【写真:Getty Images】

 ホームでカンボジアに勝利した日本だが、攻撃の部分ではヴァイッド・ハリルホジッチ監督のベースを作り上げている段階において、引いて守る相手をどう崩すかという課題に直面しており、カンボジアから3得点を奪ったものの、フィニッシュの精度も含めて消化不良があるのは否めない。

 ただ、サイドアタックに関しては相手の守り方を見ながら左右のどちらを使って攻めるのか、その中でサイドハーフとサイドバックがどう絡むのかといった戦術的なコミュニケーションに確かな前進が見られた。

 その連携が高まるほどチャンスの可能性は拡大するが、アフガニスタンはカンボジアとまた違った特徴があり、個の強さは明らかに上がるため、そこでの工夫と呼吸がより問われる試合になる。

「この前の試合の修正点や課題っていうのは今日ミーティングもしましたし、練習でもその課題を修正するトレーニングができたので、良くはなるんじゃないかなと思っています。良くならないとダメですよね」

 そう語ったのは左サイドバックの長友佑都だ。インテルで難しい立場にあることもあり、彼のパフォーマンスに懐疑的な見方が多い。確かに一瞬の爆発力や高い位置での危険性という部分で本調子とは言い難いが、カンボジア戦で興味深かったのは試合中の動きの変化、そして味方との関係だ。

 立ち上がりは高い位置で攻撃に絡もうとしていたが、途中からステイしてバランスを取る動きが目立ち、酒井宏樹の右サイドから主に攻撃が展開されるのを様子見しながらバランスを取って上下動していた。

 そこから左サイドの攻撃が増えると、サイドハーフの武藤嘉紀を追い越す動きを繰り返したが、武藤は長友を使わずに中にカットインしていた。

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