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観客の花火投げ込みでW杯アジア予選が中止に。マレーシアはFIFA除名の可能性も

text by 編集部 photo by Getty Images

観客の花火投げ込みでW杯アジア予選が中止に。マレーシアはFIFA除名の可能性も
発煙筒が投げ込まれたシャー・アラム・スタジアムのピッチ【写真:Getty Images】

 ロシアW杯アジア2次予選で8日、マレーシアとサウジアラビアが対戦した。

 この試合では70分にサフィク・ビン・ラヒームのゴールでホームのマレーシアが先制するも、直後にサウジアラビアが2点を奪ってわずか6分で逆転した。

 すると残りおよそ5分になってホームチームの体たらくに激怒したサポーターが花火や発煙筒をピッチに投げ込み始める。騒然とするシャー・アラム・スタジアムのピッチから危険を感じた選手たちは一時退避した。

 その後試合は終了間際で再開不能と判断されて中止が決定された。3日に行われたアウェイでのUAE戦に0-10で大敗したのに続き、結果を出せなかった代表に対し、国民の怒りは爆発寸前のようだ。

 マレーシアは今予選で序盤から大苦戦を強いられており、開幕戦で東ティモールに引き分けて以降、パレスチナに0-6、UAEに0-10と大敗が続きグループA最下位に沈んでいる。

 UAE戦後の5日にはダラー・サラー監督が辞任を表明し、サウジアラビア戦からU-23代表のキム・スウィー・ウォン監督が暫定で指揮を執っていた。

 カイリー・ジャマルディン青年・スポーツ大臣は地元紙『ニュー・ストレーツ・タイムズ』で「これだけの期間結果を残せず、挙句の果てに屈辱的な大敗。それでも今の職に留まれると思っているのか」とマレーシアサッカー協会を痛烈に批判し、資格停止も含めた介入を示唆した。

 オーストラリア人のポール・ウィリアム記者はツイッターで「マレーシアはFIFAから締め出される可能性がある」と指摘。過去に問題を起こしたことのあるマレーシアサッカー協会に今回の試合中止の処分や政治の介入があれば、最悪の事態も考えられる。

 アジアでは今年5月、スポーツ省とサッカー協会が対立して国内リーグの中止が決まったインドネシアの協会資格をFIFAがはく奪しており、W杯アジア予選に参加できなくなっている。

【了】

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