2得点の香川が掴んだ確固たる自信
「次はしっかり決めれるように、しっかり準備してやれればいいと思います。ゴールの枠に飛ばすこと。あまり考えずに、来たボールをしっかりと打つだけだと思ってるんで、それをやっていきたい」
3日の2018年ロシアワールドカップ・アジア二次予選カンボジア戦(埼玉)の前半43分、武藤嘉紀(マインツ)からのプレゼントパスをフリーの状況でGKに当ててしまうという信じがたいミスを受け、香川真司(ドルトムント)は無心でゴールに向かっていくことを改めて誓った。
それを彼はいきなり実践してみせる。8日のアフガニスタン戦(テヘラン)の開始10分、ペナルティエリア左外で原口元気(ヘルタ)から横パスを受けた瞬間、彼は巧みなトラップから反転し右足を一閃。強烈なミドルシュートをゴール左隅に叩き込むことに成功する。
この日の日本代表は、気温30度超の暑さ、湿度20%の乾燥、標高1200mの高地、アザディスタジアムに大挙して陣取ったアフガニスタンの熱狂的ファン、そして水の撒かれなかった深い芝生のピッチと、あらゆる面で難易度の高い環境での戦いを強いられていただけに、早い時間帯の先制点はチーム全体を安堵させた。
「ピッチ状態は試合前から分かっていましたし、細かいプレーというよりはダイナミックなプレーを意識しました。元気がドリブルでうまくかわしてきたので、自分にもパスコースができたし、そこの連携はよかったんじゃないかと思います。
自分もしっかりと試合に入れてましたし、そういう入りができたのはよかった。こういう厳しい中で前半のゴールはチームに勢いや安心感をもたらす。そういう意味ではよかった」と本人も確固たる自信をつかんだ様子。芝生を蹴り上げて悔しがった5日前の香川とは別人の落ち着きを漂わせていた。