【現地レポート】ジュニア世代では日本を圧倒。育成のベトナムがアジアの勢力図を塗り替える

サッカーの発展を目指すベトナムは、徹底したエリート育成に取り組んでいる。欧州ビッグクラブとも提携し、全寮制でトレーニングに励むジュニア世代では、すでにJクラブを圧倒。その育成事情を現地在住記者が追う。

2015年09月16日(Wed)15時31分配信

text by 宇佐美淳 photo Jun Usami
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国内屈指のサッカーアカデミーを持つベトテル

【現地レポート】ジュニア世代では日本を圧倒。育成のベトナムがアジアの勢力図を塗り替える
U18アジアチャンピオンズトロフィーで対戦したPVFと鹿島【写真:宇佐美淳】

 今夏もU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジが開催され、まだ幼さの残るベトナムの少年らがJクラブやバルセロナ、エスパニョールといったスペインの名門下部組織を相手に好勝負を演じた。結果は、鹿島や東京V、大宮らJクラブ勢を打ち破ってのベスト4。今大会を通じて最大のサプライズだったに違いない。

 ベトナムサッカー界はこの7、8年、若い人材の育成に注力しており、各クラブのアカデミーが全国から優秀な児童を選抜して英才教育を行っている。今回のU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジに出場したチームもその一つ。今大会では、U-12ベトナム代表という登録名だったが、実際にはベトテル(ベトナム軍隊通信グループ)傘下の下部組織だ。

 ベトテルは、国内屈指のサッカーアカデミーを持つことで知られる。その歴史はいささか複雑だ。前身は、テーコン(軍隊サッカークラブ)という名で親しまれた国民的クラブ。ベトナム北部選手権優勝13回、ベトナムリーグ優勝5回を数える名門だったが、2009年に国防省が同クラブの改称を決定し、通信最大手の国営企業ベトテルの傘下となった。

 それから間もなく、トップチームが買収され、タインホアFC(現FLCタインホア)となり、2010年にはセカンドチームも買収され、現在のハノイT&Tとなった。

 消滅の危機にあったベトテルだったが、アカデミーは地道な活動を続け、ユース年代の国内大会で、次々と好成績を残してクラブを再生させた。ベトテルのトップチームは今季の3部で優勝しており、来季の2部(Vリーグ2)昇格を決めている。

 アカデミー出身者の中で、特に評価が高いのは、「黄金世代(昨年のU-19代表)」で守備の要として活躍したCBブイ・ティエン・ズンだ。今季はVリーグ1のホアン・アイン・ザライ(HAGL)にレンタル移籍してレギュラーを奪取。ベトナム代表の三浦俊也監督からも絶大な信頼を得ており、U-23代表やA代表でも定位置を獲得している。

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