若手が躍進するタイ代表は日本の脅威となるか。レジェンド就任で復活した“東南アジアの無敵艦隊”

近年、目覚ましい発展を遂げている東南アジアにおいて、タイは特筆すべき一国である。かつて東南アジアで栄華を極めたタイ代表は、一時期の低迷期を乗り越え、現在は「東南アジアの無敵艦隊」と呼ばれるほどにまで進歩している。彼らはいかにしてここまでの成長を遂げたのだろうか。

2015年09月25日(Fri)15時11分配信

text by 本多辰成 photo Tatsunari Honda
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「東南アジアの無敵艦隊」となったタイ

若手が躍進するタイ代表は日本の脅威となるか。レジェンド就任で復活した“東南アジアの無敵艦隊”
「東南アジアの無敵艦隊」と呼ばれるタイ代表【写真:本多辰成】

 今、タイ代表の勢いがすごい。昨年から今年にかけてA代表、U-23、U-19、U-16とすべてのカテゴリーで東南アジア内の大会を制覇。その内容も圧倒的なものが目立ち、東南アジア内では「無敵」に近い様相を見せている。ロシアW杯のアジア2次予選でも2勝1分の勝ち点7で、現在、暫定ながらイラクを抑えて首位を走る。

 タイはもともと、東南アジアではリーダー的存在だった。東南アジアのナショナルチーム王者を決めるAFFスズキカップ(東南アジア選手権)では、シンガポールと並び最多の優勝4回。「東南アジアのオリンピック」と呼ばれ、現在はオリンピック同様にU-23代表で争われる東南アジア競技大会でも、2位以下を大きく離す最多15回の優勝を飾っている。

 アジアレベルの大会の歴史を振り返っても、アジア大会ではベスト4に6回も進出。出場国の少ない時代だったとはいえ、アジアカップでも1972年に3位という好成績を残している。オリンピックも1956年のメルボルン大会と1968年のメキシコ大会に出場しており、2度の五輪出場歴を持つ国は東南アジアには他に存在しない。

 とはいえ、これまでのタイは「内弁慶」と言われ、東南アジア外の格上チームを相手にすると途端に萎縮し、本来のサッカーができなくなってしまう傾向が強かった。だが、先日ホームで行われたW杯アジア2次予選のイラク戦では、0-2の劣勢から最後の10分間で同点に追いつく粘りでドローに持ち込み、これまでとは違う姿を見せた。

 昨年からの好調で、タイ国内では「代表ブーム」とも言える現象が続いている。イラク戦にも4万人を超えるファンが集結し、その中で演じられた強豪相手の劇的なドロー劇にラジャマンガラ国立競技場は熱狂に包まれた。良くも悪くも「東南アジアの王様」だったタイが、新しいステージに一歩踏み出したことを感じさせる一戦だった。

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