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敵地広州で圧倒されたG大阪、敗れるもアウェイゴールでACL決勝進出に望みつなぐ

text by 編集部 photo by Getty Images

敵地広州で圧倒されたG大阪、敗れるもアウェイゴールでACL決勝進出に望みつなぐ
見事なボレーシュートで同点ゴールを奪ったファン・ボーウェン(奥)【写真:Getty Images】

【広州恒大 2-1 ガンバ大阪 ACL準決勝第1戦】

 AFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝の1stレグが30日に行われ、日本勢で唯一勝ち残っているガンバ大阪がアウェイで広州恒大と対戦した。

 G大阪は長谷川監督が準々決勝2ndレグでの退場処分によりベンチ入りできず、片野坂ヘッドコーチが監督代行として指揮を執る。また丹羽が出場停止のため岩下の相方には金正也が起用された。

 一方の広州恒大はいつも通りのベストメンバーがピッチに立った。前線のエウケソンとリカルド・グラール、そしてパウリーニョのブラジルトリオは健在で、レアル・マドリーからのオファーが報じられたチャン・リンペンは右SBで先発した。

 相手FWの守備意識が低い分、ボールを持つ時間を作れるG大阪は遠藤や巧みなペース配分でゲームを作るが、シュートチャンスはなかなか生まれない。対する広州恒大は奪えば怒涛のカウンターでゴールに迫り、遠目からでも強引にシュートを放って得点機を作り出していく。

 試合が動いたのは12分、右サイドの裏へ出たボールに阿部が反応し、ダイレクトでクロスを上げると、ニアサイドのパトリックと競った相手DFに当たってコースが変わる。そのボールはGKを越えてゴールネットに吸い込まれ、G大阪が貴重なアウェイゴールで先制に成功した。

 その後は広州恒大の迫力ある攻撃を全員で身体を張って防いでいたG大阪だが、一瞬の隙を突かれてしまう。35分、中盤からの浮き球パスをファン・ボーウェンが腰をひねりながらダイレクトボレーで叩き込み、広州恒が前半のうちに同点に追いつく。

 後半に入ると広州恒大の荒さが目立ち始めるが、ボールを支配されようと奪えば必ずシュートに持ち込む姿勢はG大阪を苦しめる。そして58分、押し込んだ状態から左に流れたエウケソンがふわりとしたクロスを上げ、それに助走をつけたジョン・ジーがヘディングで逆転ゴールを叩き込んだ。

 これで完全に主導権を奪い返した広州恒大は、G大阪に圧力をかけて再三決定機を作っていく。するとG大阪は74分に精彩を欠いていた宇佐美を下げてリンスを投入して状況の打開を図る。

 さらにG大阪は残り10分を切って倉田に代えて大森を投入して最後のスパートに出る。運動量がおちてきたことで前線のパトリックと他の選手たちの距離が離れ、攻撃に出られず苦しい時間帯が続いていたが、大森が積極的にボールへ関与することで中盤を活性化した。

 後半アディショナルタイムには明神も送り出したが、最後まで広州恒大の“赤い壁”を前にゴールへ近づけさせてもらえず、G大阪は先制しながら逆転負けを喫した。

 敗れはしたものの、アウェイゴールを奪って2ndレグに望みをつないだG大阪。決勝進出を懸けた運命の一戦は来月21日にホーム大阪で開催される。

【得点者】
12分 0-1 オウンゴール(G大阪)
35分 1-1 ファン・ボーウェン(広州恒大)
58分 2-1 ジョン・ジー(広州恒大)

【了】

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