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苦手な前半をどう克服するのか。日本代表選手が語る世界と戦うための“解決策”

text by 編集部 photo by Getty Images

苦手な前半をどう克服するのか。日本代表選手が語る世界と戦うための“解決策”
長友佑都、岡崎慎司、長谷部誠【写真:Getty Images】

 日本代表は8日、ロシアW杯2次予選でシリアと対戦し、3-0で勝利を収めた。次のラウンド進出にはグループ首位になることが最も重要だが、この試合の3点はすべて後半に挙げたものだった。

 選手たちは一様に結果が出たこと、そして「我慢の展開だった」ことをポジティブな点として指摘した。しかし前半にもっとゴールを奪えていればもっと楽な展開になったのではないだろうか。

 これまでのカンボジア戦でも前半に1点、後半に2点を奪って勝利した。アフガニスタン戦は前半に2点、後半に4点という展開だった。後半に相手の体力が落ちて攻めやすくなるという条件もあるが、どうしても前半の攻め方で苦労する。

 キャプテンの長谷部誠はシリア戦立ち上がりの拙攻について「前半は特に気候ももちろんあったと思いますし、その中で確かに動きは重かったですしね、なかなかうまくいかなかった」と慣れない環境を原因に挙げる。

 そして「相手も結構圧力をかけてきたんで、自分たちも前からいきたかったんですけど、なかなかそれがうまくはまらなかったというか、はめる前に蹴られていた」と、これまでと違う相手の戦い方に苦しんだことを明かしている。

 一方、岡崎慎司や長友佑都は明確に解決策を指摘した。前半はボールが収まらず苦心した岡崎は「アジアでもシリアみたいに前線で残ってきたりするチームもこれから出てくると思うんで、次なんかもっと試してもいいことがあるんじゃないか」と新戦術導入を求める。

 長友はこれに対し「もっとロングボールで裏を狙ったりとかっていうのも織り交ぜていかないとなかなか難しくなってくる」と足もとで受けるパスが多い日本代表の攻撃に「ロングボール」というバリエーションを加える必要性を説いた。守備陣では槙野智章もこれに同意し「もう少し危険な縦パス、斜めのボールは使っていかないといけない」と局面を一気に進めるパスが攻撃を加速させると考えている。

 TV中継で解説を務めた元日本代表DF田中マルクス闘莉王は試合終盤、「闘う場所はここではない」とつぶやいた。まさにその通り、日本が目指しているのはアジアの先、世界で対等に戦って勝つことだ。

 次のイラン戦は親善試合だが、アジアの中でも最強クラスの実力を備えた強豪国とアウェイで力を試せる絶好の機会になる。日本代表はこのゲームでどんな攻撃を見せられるだろうか。

 再びW杯で世界と戦うためには必ずアジアの壁を乗り越えなければならない。短期間でいまの戦術にバリエーションを加えられなければその道のりは険しいものになるだろう。

【了】

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