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48歳の新たな挑戦。アスルクラロ沼津で電撃復帰の中山雅史。“熱き魂”の近況に迫る

text by 藤江直人 photo by Getty Images

あくまで競争を。戦力として貢献を目指す

 中山が練習に参加した直後で、ちょうど大きな注目を集めていた時期。実際にはキックオフの30分前に練習着姿で入団の挨拶をしただけだったが、びわこ滋賀戦以来のホームゲームとなったソニー仙台戦では、中山が「ベンチに入るのでは」という情報もあった。

「中山選手の効果というものも、大きかったと思います」

 目標を大きく上回る8337人を動員できた一因を「ゴン中山人気」に求めたアスルクラロの山本浩義代表は、注目されるベンチ入りの時期についてはこう語るにとどめた。

「はじめから選手登録することを前提として、練習にも参加してきました。ただ、チームとのコミュニケーションもありますので、何回か練習を重ねた上で、となるのかなと思っています」

 東海社会人リーグ1部からJFLに昇格して2シーズン目となるアスルクラロには、9月24日のJリーグ理事会で2016年度のJ3ライセンスが交付されることが承認された。ソニー仙台戦を含めて残りは6試合。ひとつも落とせない熾烈な戦いが続く。

 約3年ぶりにプレーする姿、何よりも「ゴンゴール」が見たいというファンやサポーターの思いは伝わっている。それでも、正念場の戦いを迎えたチームのなかで特別扱いされたくないと中山は力を込める。

「まずはピッチに立たないと期待にも応えられないですし、それを目標に頑張ってきますけど、そこにもやはり競争がある。チームのなかでどのような役割になるのか。

 そこで僕をどのように……利用と言うと変ですけど、どのように起用してくれるのかはわかりませんけど、起用にしても、ベンチに入るにしても競争があって然るべきですし、自分の特徴を生かして勝ち取っていくものだと思っています。

 いずれにしても甘いものではないと、練習をして感じました。まだまだ自分の未熟さというか、力の足りなさを思い知らされている。そこを乗り越えられるように頑張っていきたい」

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