本当の意味での「ウルトラマン」へ。松本山雅のホープ、前田直輝が開花させる“救世主”の力

慣れ親しんだ東京ヴェルディを飛び出し、期限付き移籍で松本山雅FCへ移って約10ヶ月。反町康治監督に課されたハードメニューで危険な左足に磨きをかけたMF前田直輝は、類希な潜在能力を開花させつつある。J1残留争いで正念場を迎えたチームで、そして来年のリオデジャネイロ五輪出場をかけたU‐22日本代表での戦いで。救世主「ウルトラマン」になる瞬間を信じて、20歳のホープは走り続ける。

2015年10月18日(Sun)14時32分配信

text by 藤江直人 photo Getty Images
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「すぐにカラータイマーが鳴ってしまうという意味を込めてのウルトラマン」

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反町康治監督【写真:Getty Images】

 新天地・松本山雅FCの一員になってから間もないころに、MF前田直輝は反町康治監督からこんなニックネームをつけられている。

「ウルトラマン」

 平成6年生まれの前田にとっては、昭和の高度成長期に大ヒットした「ウルトラマン」に込められた意味がおそらくわからなかったはずだ。

 苦笑いしながら、反町監督が理由を説明してくれたことがある。

「試合の流れから消えている時間が多いから、すぐにカラータイマーが鳴ってしまうという意味を込めて、ウルトラマンと言ったんだよね」

 もっとも、自らラブコールを送り、東京ヴェルディで3シーズン目を迎えようとしていた20歳の前田を期限付き移籍でチームに迎え入れたのも反町監督だった。

 ヴェルディの育成組織で小学校4年生のときから磨かれてきた、繊細かつ大胆なボールタッチ。右タッチライン際から高速ドリブルでカットインして、強烈なミドルシュートを放つ利き足の左足は相手を畏怖させる潜在能力を秘めている。

 前田は昨シーズン、19歳にして副キャプテンを務めていた。ヴェルディがかける期待の大きさが伝わってくるが、一方で自分自身を客観的に見つめてもいた。

「自分を変えたい」

 だからこそ、松本から届いたオファーに移籍を即決する。J2の舞台で対戦してきた松本の一員になれば、抱える課題を必ず解消できると信じたからだ。

「このチームはスプリントの量が多いし、球際の強さというものもある。自分に一番足りないものであり、そこを強くしたいと思ったので」

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