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本田圭佑 9年前

わずか6分のプレー。本田の投入はなぜ遅かったのか? ミラン新システムと指揮官の意図

ミランは現地時間17日に行われたセリエA第8節、トリノアウェイで対戦し、1-1で引き分けた。クラブ批判が物議をかもした本田圭佑はベンチスタートとなり、88分から途中出場した。シニシャ・ミハイロビッチ監督はこの試合で新システムとなる4-3-3を採用。しかし、ミハイロビッチ監督は交代の決断に遅れをとってしまった。この裏には、指揮官の4-3-3に可能性を感じたことにあるようだ。

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

遅れたミハイロビッチ監督の交代

わずか6分のプレー。本田の投入はなぜ遅かったのか? ミラン新システムと指揮官の意図
途中出場で6分間のみのプレーとなった本田圭佑【写真:Getty Images】

 トリノ戦で後半11分からアップを命じられていた本田圭佑だったが、投入はほぼ終了間際だった。結局見せ場はほとんど作れずにタイプアップの笛を聞くが、ロスタイムを含めて6分で何かしろというのも酷ではあった。

 解せなかったのは、本田どうこうというよりなぜ交代が鈍かったのかということだ。運動量の低下したユライ・クツカを下げ、アンドレア・ポーリを投入したのもほぼ本田と同じタイミングになっている。1点を先制したあとはトリノの勢いに押し切られ、ダニエレ・バセッリのゴールで追いつかれてからは完全に足も止まっていた。

 もう少し積極的にベンチが動いてもいいと思われる状況だったが、シニシャ・ミハイロビッチ監督には交代策によって崩したくないものがあったようだ。4-3-3のシステムに修正した組織のバランスである。

「これを使えば絶対に勝てる、というシステムなどはない。ただ我々は4-3-3で、より全体をコンパクトに保って戦うことができていた。相手にもカウンターでチャンスを作らせなかったし、1点リードのまま試合をキープして勝てると思っていた」

 つまり新システム導入で保てた守備におけるコンパクトネスを、選手交代などでいじりたくはなかったということである。

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