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日本代表 8年前

【現場記者の目】香川が語った得点への決意。前回対戦の“雪辱”へ、今こそ「世界基準の違い」を

text by 元川悦子 photo by Getty Images

イメージを膨らませるゴールへの具体的な形

【現場記者の目】香川が語った得点への決意。前回対戦の“雪辱”へ、今こそ「世界基準の違い」を
香川真司【写真:Getty Images】

「代表ではゲームメークと得点の両方を求めていきたいですね。フィニッシャーというか、ゴール前に入り込んでいく回数をより増やさなきゃいけないのと同時に、ボールに絡んでいく回数も増やしたい。そうすることで自分もリズムが出ると思うんで、意識してやっていきたいです。

 シャルケ戦みたいなゴールを決めるには、クロスの質だと思う。クロスを上げる選手がフリーの状況を作れるように、ダイアゴナルのロングボールやコンビネーションの崩し、単独突破など、いろんなパターンを出していきたい。

 サイドの選手がよりフリーな状況でボールを上げられれば、あとはゴール前の入り方。うまくやれればチャンスは増えると思います」と本人も具体的なゴールの形を思い描いているようだった。

 これまで日本代表での香川は、こうした得点への意識が力みや空回りにつながり、結果的に悪循環に陥る傾向が強かった。「なぜ香川は代表に来るとダメなのか」と物議を醸すほど、持てる力を出し切れない試合が少なくなかった。

 けれども、ドルトムントで絶好調の今季はもっと自然体でプレーできるはず。ゲームメークとゴールの使い分けを自由自在にやれれば、彼自身ももっと怖さを示せるし、チーム全体もスムーズに動くだろう。

 実際、6月のシンガポール戦で日本が停滞感に包まれたのは、香川のところでノッキングを起こしたことが大きかった。エースナンバー10を背負う人間として、格下相手に同じミスは許されない。それは本人が誰よりも強く認識しているに違いない。

 苦い過去を払拭すべく、彼には今回こそ「世界基準の違い」をアジア相手に示してほしい。そうすることが香川の使命だ。

【了】

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