長友が語るサイドバックの役割とは

　サイド攻撃を機能させるために両サイドバックが高い位置で絡むプレーは不可欠だが、いかに左右でタイミング良く攻め上がり、同時にリスクを管理できるかが重要になる。クラブで調子を上げている左の長友佑都にはサイドを縦に突く動きによって、中の選手をフリーにする役割が求められる。

「（相手は）6バックになる可能性もあるし、はじめから高い位置を取る時も必要だけど、そこは駆け引きも必要なので、逆に低い位置でもらって相手を出しておいて、スペースを突いていくとかできればいいですけど。サイドチェンジを使いながら、サイドから速い攻撃をしていきたい」

　そう語る長友が高い位置で勝負できればウィングの選手をタイミング良く中にしぼらせることもできる。彼の場合はクロスもえぐってマイナスに合わせる方が精度は高く、危険なシーンにつながる可能性が高まる。

　また、流れによってはカタール代表がシンガポール相手に決めたゴールの事例で示された様に、右からのクロスをファーで受けてミドルシュートを狙う様な形も有効だ。

「僕らもミーティングの映像で見たので、うまくバランスを取りながらその関係ができれば最高にいいですけど、相手はカウンターも狙っているので、その対策も立てていかないといけない」

　それは1つのオプションだが、現在の長友は自分が左サイドの高い位置に上がるだけでなく、バランスを取りながら右の選手をタイミング良く上がらせる連携の意識も高いため、右で先発濃厚な酒井宏樹とうまく幅を取りながらシンガポールのディフェンスを広げ、アタッカーにゴール前で仕事させることが早い時間帯のゴールを呼び込む可能性を高めるはずだ。