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G大阪FWパトリックがSNS上で人種差別の被害者に。本人は悲痛な想いを吐露

text by 編集部 photo by Dan Orlowitz

G大阪FWパトリックがSNS上で人種差別の被害者に。本人は悲痛な想いを吐露
G大阪のFWパトリックが人種差別の被害に【写真:ダン・オロウィッツ】

 明治安田生命J1リーグのチャンピオンシップ準決勝が28日に行われ、アウェイに乗り込んだガンバ大阪が1-3で浦和レッズを下し、決勝進出を決めた。

 この試合の延長後半121分にパトリックがダメ押しの3点目を奪った。前半からピッチを縦横無尽に駆け回り、浦和のDFたちを規格外のフィジカルで苦しめ、最後に勝負を決める活躍を見せている。

 すると試合後、ツイッター上であってはならない事態が発生した。浦和サポーターと見られるアカウントがパトリックに対し、人種差別の意味が込められたリプライを複数回にわたって送った。このツイートは瞬く間に拡散し、外国のジャーナリストも問題提起するまでに発展している。

 そしてパトリック本人もツイートの内容を確認し、自身の見解をツイッター上で表明した。

「試合が終わり、しっかりと自分の役割を果たして仲間達と祝って携帯を見るとSNSでとても残念で酷な人種差別な書き込みがありました」と明かしたパトリックは、さらにこう続ける。

「こういった書き込みはどんな人でも傷つきます。私は黒人であることをとても誇りに思っています。息子も黒人ですし、すごく幸せです。今回の件は、どれほど悲しいかは神様にしか分からないです。

人種差別を受けたのは初めてですし、まさかこの国でそういう目に遭うとは思いませんでした。この国はものすごく好きですし、リスペクトしています。私の中ではマナーや文化が一番いい国だと思っています。

この件での対応はしっかりとやって頂けることを期待しています。今回はわたしがこういう目に遭いましたが…いつかは他の方がこういう目に遭うかもしれないです」

 パトリックは今回の件でひどく心を痛めており、最後に「本当に私や私の家族を傷つけました。この書き込みをした方に対してですが、こういうことは人間としてやるべきではない」と発言者を痛烈に非難している。

 浦和は昨年、一部のサポーターが「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕を掲げたことでJリーグ史上初の無観客試合処分を受け、クラブとして人種差別を許さない意思を明確にするとともに撲滅へ向けた啓発活動を積極的に行ってきた。その矢先に発せられた1人のツイートで、いままで取り戻しつつあった信頼を一気に失ってしまうかもしれない。

 ツイートの主を浦和サポーターと断定することはできないが、パトリックが人種差別の被害に遭ったことは事実。今後この件がどのように展開していくか注視していく必要がありそうだ。

【了】

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