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Jリーグ 8年前

苦難乗り越えた守護神・中村航輔。太陽王が生んだ“最高傑作”の覚醒なくして福岡の昇格なし

text by 舩木渉 photo by Getty Images

後半戦に驚異の追い上げ。要因は数字が示す

 しかし福岡のゴールマウスには絶対的な存在が君臨していた。クラブ在籍13年目、セーブ率はJ2屈指を誇る神山竜一だ。ダイナミックな動きでボールを弾き出す姿は“神セーブ”と称され、ファンからも愛される存在である。

 中村はその神山に真っ向から勝負を挑んだ。するとめきめきと力を伸ばしてついにチャンスを掴む。第24節の大宮アルディージャ戦で今季2試合目の先発出場を飾った中村は、そのままレギュラーポジションを奪取して見せたのだ。

 失点数からも中村の貢献度の高さがうかがえる。神山はポジションを明け渡すまで21試合に出場して25失点。一方の中村は先発した20試合でわずか10失点のみで、クリーンシートは12試合もあった。

 福岡が終盤に引き分け1つを挟んで11連勝を挙げ、驚異的なペースで追い上げられたのは、守護神の力が大きく影響しているだろう。6日のプレーオフ決勝でも果敢なプレーで事実上ホームのセレッソ大阪の猛攻を1点にとどめ、福岡にとって5年ぶりのJ1昇格に大きく貢献した。

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