日本戦を振り返るシンガポール代表GKイズワン
2015年6月16日、日本代表対シンガポール代表戦はスコアレスドローで終わった。ロシアW杯アジア二次予選に早くもドラマが生まれることとなり、埼玉スタジアム2002での結果はファンやメディアに衝撃を与えた。
このクリーンシートに貢献した選手は、シンガポール代表のGKイズワン・マフムドを置いて他にはいないだろう。イズワンはサムライブルーの強力な攻撃を封じたことで賞賛を集め、Jリーグの松本山雅FCからトライアルのオファーを受けるに至った。
松本は12月にトライアルのオファーの約束を果たし、スポンサーである『EPSON SINGAPORE』の援助でライオンズXIIに所属する25歳のスターを練習場に呼び寄せると、ファンや地元メディアは喜んでイズワンを迎え入れたのだった。
イズワンは『フットボールチャンネル』の独占インタビューに応じ、自身の転機、松本でのトレーニング、そしてJリーグとシンガポール人選手ということについて語った。
――日本代表と0-0の試合を演じたことについて、どんなことを覚えてる?
「日本代表が90分間攻めてきたことかな(笑)。僕らにはプレッシャーが掛かっていたから、守りを固めていたんだ。日本代表は両サイドからずっと攻め続けてきたよ。とにかくシュートを打ってきて、クロスも上げてきた。終わってみれば、僕にとってはラッキーな日だったね。
僕らはチームとして機能していた。ディフェンダーたちは僕を助けてくれて、試合後にはクタクタになっていたよ。僕らは日本代表に引き分けたんだ。予選を戦っていくのには良いスタートだったよ。僕の中では大切な試合だったね」
――試合をビデオで確認した?
「観返したよ。僕はいつも自分のミスを探すんだけど、それはすなわち自分自身の伸ばせる部分だからね。いつでも自分の居場所を狙う選手がいるから、選手として自分に満足することはないと思う。だから僕は努力している。レベルを上げていく必要があるんだ」
――あの試合の結果によって、自分のキャリアが変わったという実感はあった?
「あの試合以降、僕は将来について考えたことはなかった。シンガポールサッカー界にとっては偉業だったから、日本代表と引き分けられたことが嬉しかったんだ。あれから“自分の番が来るまで待て”っていろんな人に言われたから、僕は今までずっと待ち続けてきたよ」