多くの疑念を呼んだJ1昇格PO決勝の長居開催
FIFAクラブ・ワールドカップが日本で開催される来シーズンは、今シーズン同様に12月第1週でJ1の年間王者を決める必要に迫られる。その一方で11月には国際Aマッチデーとホーム&アウェイで行われるACL決勝が入ってくる関係で、著しくタイトなスケジュールを余儀なくされる。
チャンピオンシップはどんなに早くても、現状では11月の最終水曜日のスタートとならざるを得ない。条件が著しく制限されるなかで、いかにして選手たちがベストのパフォーマンスを演じる状況を作り出せるか。TBSやNHK総合を含めて、さまざまな議論が必要になってくる。
そして、J1昇格プレーオフ決勝でも、開催されるスタジアムの「中立性」という点で問題が露呈した。
決勝の舞台となったのはヤンマースタジアム長居。そして、決勝でアビスパ福岡と対峙したのは、同スタジアムをホームとするセレッソ大阪。Jリーグ側が原則として「決勝は中立地で行う」と定めているだけに、決勝の組み合わせが決まった直後から疑問や異論が噴出したのも無理はない。
実際、愛媛FCとの準決勝で引き分け、成績上位のチームが先に進めるアドバンテージを得た直後に、セレッソのある選手はこんな言葉を残していた。
「次はホームのような雰囲気でできるので、サポーターの後押しを受けて勝ちたい」
J1昇格プレーオフは2012年シーズンから導入され、さまざまなドラマを生み出してきた。しかし、顕在化しなかっただけで、決勝戦の中立性に関する問題は昨シーズンから存在していた。
2013年シーズンまでの舞台となった国立競技場が改修のために取り壊されたいま現在、数多くのファンやサポーターを集められる同規模の代替中立スタジアムは日本国内に存在しない。
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