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Jリーグ 8年前

【識者の視点】J1王者・広島、打倒リーベルに必要な『三箇条』。ジャイアントキリングの実現なるか

J1王者のサンフレッチェ広島は16日、クラブW杯準決勝で南米王者のリーベル・プレートと対戦する。リーベルは南米二大カップ戦を制しているように、ここ一番での勝負強さが特徴だ。オセアニア王者のオークランド・シティ戦、アフリカ王者のマゼンベ戦と連勝してきた広島だが、リーベル戦はより難しい試合となる。広島がジャイアントキリング達成するための、打倒リーベル『三箇条』を紹介したい。

text by 河治良幸 photo by Getty Images

J1王者・広島、南米王者リーベルと準決勝で激突

【識者の視点】J1王者・広島、打倒リーベルに必要な『三箇条』。ジャイアントキリングの実現なるか
準決勝でリーベル・プレートと対戦するサンフレッチェ広島【写真:Getty Images】

 開幕戦でオセアニア王者オークランド・シティ、準々決勝でアフリカ王者マゼンベを破り準決勝まで駒を進めて来たJ1王者のサンフレッチェ広島。対戦相手となる南米王者リーベル・プレートはコパ・スダメリカーナとコパ・リベルタドーレスの南米カップ戦を続けて制覇するという偉業を成し遂げており、勝負強さは過去の南米王者と比べても最高レベルかもしれない。

 実際、国際的なビッグネームはベテランのサビオラとルイス・ゴンサレスぐらいで、アルゼンチン代表の常連メンバーもいない。中盤の底に構えるクラネビッテルは大会後にスペインのアトレティコ・マドリー行きが決まっているが、これからさらなる成長が期待される選手。ウルグアイ代表の攻撃的MFサンチェスなど確かな実力者は揃うが、1人で試合を決めてしまう様な選手はいないのだ。

 それでも厳しい南米のカップ戦を勝ち抜けたのは、攻撃のプロセスと守備の規律がしっかりしているからだろう。もちろんアルゼンチンらしい個の仕掛けも見られるが、ディフェンスからのビルドアップ、チャンスメーク、フィニッシュにオフ・ザ・ボールのコンビネーションが絡んでいくところは希代の司令塔として鳴らしたガジャルド監督が植え付けた現在のリーベルのスタイルを表している。

 その中で機を逃さないしたたかさは夏に行われたスルガ銀行チャンピオンシップのガンバ大阪戦(3-0でリーベルが勝利)でも見せたが、準決勝の10日前に母国を発ち、大阪市内で準備してきたチームはそうした部分でさらに研ぎ澄まされたものを発揮してくる可能性が高い。

 39歳の若さで高い指導力を認められるガジャルド監督はもちろんのこと、リーベルの選手たちはマゼンベ戦をスタンドから観ており、間違いなくアフリカ王者よりも広島のことを知った状態で試合に臨んでくることも警戒する必要がある。

 チームとしてしっかり攻守を共有しながら、90分の中で勝負強さを出していく意味では共通点もある両者の戦いで広島がジャイアントキリングを実現するために重要なポイントを大きくまとめると次の3つになる。

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