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香川真司 8年前

改めて示されたドルトムントの弱点。「サプライズ」に成功したケルンのゲームプランとは

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「サプライズ」を呼んだケルンのドルトムント対策

 もっとも敗因は、終盤にBVBの精と根が尽きたことだけではない。ドルトムントに対して、ケルンが無策で挑んできた訳ではなかった。前日の会見で監督のペーター・シュテーガーは「ドルトムントの強みは知っている」と語った。

「我々が効果的に戦えば、サプライズは可能だ。BVBに対して最高のリスペクトを抱いている。しかし不安は抱いていない」

 ケルンは5-3-2の布陣を敷いてくる。後ろは5バックで固めた。中盤のレーマン、スベント、ゲアハートを、BVBの中盤=バイグル、ギュンドアン、香川に、そしてリッセとツォラーの2トップを、ソクラティスとフンメルスの2CBにハメ込んできた。

 5日の第15節、バイエルンに対してボルシアMGがそうしたように、「ドルトムントの強み」=ポゼッション・スタイルに対して、前掛かりにプレスで挑んできた。

 ボルシアMGの指揮官シューベルトは「バイエルンに対して引くだけでは負けてしまう」と語ったが、それはドルトムントに対しても同じことだ。前節、引いたフランクフルトは1-4でBVBに敗れている。

 ドルトムントは18分に、CKからソクラティスが頭で合わせて先制した。ケルンに対して、前半の内にリードを奪うことに成功する。しかしその後でショートカウンターを浴びてピンチを招いた。

 25分、バイグルがゲアハートに奪われる。即座にスベント、ツォラーがゴールに迫る。31分、リッセに奪われたパクが、奪い返そうとしてFKを与えてしまう。いずれもゴールには至らなかった。しかし「サプライズ」の予兆は、既に前半からあったのだ。

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