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クラブW杯で見せたバルサの強さ、10点も露呈したレアルの問題。圧勝の裏で見えた現実

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

重要な一戦で自らのプレーを100%発揮する強さ

 そして日本での初戦となった広州恒大戦では、ネイマールに加えてメッシも欠場。この2人が不在のバルセロナは決して強力なチームではないことはここまでの戦いでも証明されていた。

 しかし、広州恒大が採ったのは“受け身の姿勢”。バルセロナはイニエスタとラキティッチにスペースを与えるために全体が動いているため、この2人に簡単にボールを受けさせないことが重要だった。

 バルセロナにとって、相手が特別な策もなく引いてくれるのは何よりもありがたいこと。広州恒大は最もやってはいけないことをやってしまった。この一戦は今後のバルサにとってあまり意味のないものとなっただろう。

 一方で決勝を戦ったリーベルはある程度前から仕掛ける戦略を採った。とはいえ、リーガのチームがやったように最終ラインと中盤を完璧に引き剥がすようなプレスはできていなかった。その結果、中盤の2人が自由にプレーするスペースが生まれたことで圧倒的な勝利を手にすることができた。

 もちろん、リーベルも広州恒大も常にバルサと対戦しているチームではないため、たった1度の対戦で完璧な対策を打つことは難しいのかもしれない。だが、それはバルサも同じこと。

 多少苦しい戦いを続けていようと、重要な試合では自らのプレーを100%発揮するバルサの強さは長年かけて築き上げ、受け継がれるクラブのアイデンティティーが生み出すものなのだろう。

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