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クラブW杯で見せたバルサの強さ、10点も露呈したレアルの問題。圧勝の裏で見えた現実

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

主審によって生み出された10-2という記録的スコア

クラブW杯で見せたバルサの強さ、10点も露呈したレアルの問題。圧勝の裏で見えた現実
10-2というスコアは全く意味のないものだった【写真:Getty Images】

 そして、リーガでは前述の通りレアル・マドリーが記録的な勝利を手にした。しかし、この10-2というスコアはマドリーの強さというよりも、主審を務めたイグレシアス・ビジャヌエバ氏によって生み出されたといえるだろう。

 14分にティトに出されたレッドカードに関しては、クロースへ完全に足裏を向けてタックルに行っていたため仕方ないとしても、28分に勝ち越しのPKとともにバエナに出された2枚目のイエローは慎重に考慮すべきだったように思う。

 結局、ラージョは9人で戦うことを余儀なくされただけに、10-2というスコアは全く意味のないものだった。

 それ以上にこの試合で注目すべきなのは、ティトが退場するまでの14分間。この間、ラージョはマドリーの弱点を完璧に突き、2-1とリードを奪うことに成功していた。

 マドリーは、この試合でクロースをアンカーに置いた4-3-3を採用。大まかなプランとしてはカウンターを主体にした攻撃を狙っていた。その成果は3分に右SBダニーロがカウンターからオーバーラップして決めた先制点のシーンに表れていた。

 ところが、監督のプラン通りしっかり守備から入ろうとした最終ラインと、とにかく点を取りたい前線の意識が統一されず、時間を経るたびに全体は間延びしていった。

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