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Jリーグ 8年前

Jリーグ改革初年度の課題と収穫とは? 疑問残る2ステージの意義と微調整のCS

text by 藤江直人 photo by Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images

ステージ優勝ではなく年間勝ち点が優先に

 セカンドステージ最終節から中2日では、試合開催そのものの告知や前売りチケットの販売期間は著しく制限される。ただでさえ集客力が落ちる平日のナイトゲーム開催と相まって、大きな混乱が起きたことは容易に推察できる。

 実際、セカンドステージ最終節がキックオフされる前の時点で、チャンピオンシップの組み合わせは実に8個ものパターンが考えられる状況を生み出していた。

 Jリーグの村井満チェアマンは22日に都内で開催したシーズン総括ブリーフィングで、試行錯誤を繰り返しながら2013年秋にようやく決定に至った今シーズンの大会方式をこう振り返っている。

「年間総合勝ち点とステージ優勝のどちらを優先しているのか。こうした点が混在となっているがゆえに、決定に至るまでのプロセスが非常にわかりづらい構造となっていました」

 そうした点を踏まえての微調整となったわけだが、Jリーグ側は(1)出場クラブ数は最大5 (2)両ステージの優勝クラブが出場権を得る――といった骨格には手をつけないことを最初に確認。その上で、年間総合勝ち点の2位と3位のクラブに、同1位のクラブに続くシード権を与えた。

 ステージ優勝と年間総合勝ち点のプライオリティーを逆転させる微調整を施した意図を、村井チェアマンはこう説明する。

「1シーズンを戦った総合勝ち点をファーストプライオリティーとしているので、今回は総合勝ち点に歩調をそろえようということになりました。Jリーグのファン層にインタビューをしていっても、『わかりにくいから反対です』という方がいるんですね。その意味では、こうしたアプローチは改正のためのひとつの手段ではあると思っています」

 どのように改善されたのか。今シーズンにあてはめて考えてみるために、時計の針をセカンドステージ最終節のキックオフ時に戻す。年間総合勝ち点1位はサンフレッチェとレッズに、同3位はFC東京とガンバに絞られていた。

 最終結果によって生じる組み合わせは4通り。アントラーズがセカンドステージを制した場合、年間総合勝ち点ではレッズを下回ることが確定していたので、年間総合勝ち点3位になる可能性のあったFC東京もしくはガンバのホームで1回戦を戦う。

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