フットボールチャンネル

アジア 8年前

【英国人の視点】広島とバルサが世界の舞台で貫いた信念。尊敬を集めた“同じスタイル”への忠誠心

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

ミキッチが語る「同じスタイル」で戦うことの意義

【英国人の視点】広島とバルサが世界の舞台で貫いた信念。尊敬を集めた“同じスタイル”への忠誠心
広島のミキッチ【写真:Getty Images】

 森保監督は、クラブの歴史でおそらく最も大きな試合を前に自身が広島で築き上げてきたチームに信頼を置いていることを明らかにし、チームはリーベル・プレートと張り合えるだろうと主張した。

「我々のコンセプトとスタイルは変わらないし、次の試合でもそれを続けていくつもりだ」

 森保監督は準決勝を前にしてこのように言ったが、それらは空っぽな意見ではなかった。紫の射手たちは根気強く、自信を持ってコパ・リベルタドーレス王者を相手にカウンター攻撃を主体としたサッカーを徹底的に展開。勝利まであと一歩のところに迫ったのである。

「バルセロナは別の世界にいるが、他の相手なら渡り合うことができる」。チームが3位決定戦でACL王者の広州恒大を2-1で破り、銅メダルを獲得した後でミハエル・ミキッチは言った。

「僕らの試合を全て分析すれば、そのほとんどの試合で僕らは優位に立っていることが分かる。もしかしたら僕らは対戦相手よりもポゼッションで劣っているかもしれないけれど、スタイルを貫き、コンセプトを貫いて試合をすることで僕らは世界にスタイルを示している。それこそが今この瞬間でとても大切なことなんだ。ヨーロッパの素晴らしいチーム、例えばバイエルン・ミュンヘン、バルセロナ、またはアーセナルなどを分析してみれば、彼らは常に同じスタイル、同じコンセプトを持っていることが分かる」

 ピッチの上や観客席の中に関わらず、サッカー文化は多くの様相を呈している。しかし、あるプレースタイルに対して忠実であり続けながら勝利するという習慣は、支持する人々やリスペクトを集めるのに最も確実な方法だ。

 その点、数々の兆候は広島にとってポジティブであり、森保監督の下でチームが正しい道を歩んでいることは間違いない。

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top