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チェルシー、最悪の前半戦でモウリーニョは解任。一縷の希望はヒディンクに【欧州主要クラブ中間査定】

シリーズ:欧州主要クラブ中間査定 text by 編集部 photo by Getty Images

最悪の前半戦。モウリーニョは解任に

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シーズン途中で解任されたジョゼ・モウリーニョ前監督【写真:Getty Images】

 昨季は1年でわずか3敗(うち1敗は優勝確定後)のチェルシーだったが、開幕5試合で1勝1分3敗という最悪のスタートを切る。

 その前兆は開幕節のスウォンジー戦にあった。試合終了間際に選手の治療にあたったチームドクターのエヴァ・カルネイロ氏にモウリーニョ監督が不満を示し追放。ここから悪夢が始まる。

 “白衣の天使”を失ったチェルシーは一向に強さを取り戻すことはなく、オーナーのロマン・アブラモビッチ氏はある決断を下す。モウリーニョ監督との決別だ。

 レスター戦に敗れた後の12月17日、モウリーニョ監督との双方合意のもとでの契約解消を発表。事実上の解任である。

 今季のチェルシーでコンスタントな活躍を見せていたのはFKが冴えに冴えていたウィリアン、ティボー・クルトワの負傷により急遽出番が回ってきたベゴビッチくらい。

 主将のジョン・テリーは衰えを隠せず、昨季のリーグMVPであるエデン・アザールはキレを失った。アシスト王だったセスク・ファブレガスは昨季から徐々に明るみになっていた守備の弱点が完全に露呈し、中盤を支配していたネマニャ・マティッチはその凄みが消えてしまった。

 モウリーニョ解任となった時点で、気が付けば17失点の16位。昨季の強さは見る影もなくなり、上位争いどころか降格の方を気にしなければならない順位にまで堕ちた。

 どんなに結果が出なくともサポーターからの支持が厚かったモウリーニョの解任はアブラモビッチオーナーにとっても断腸の思いだったはず。だからこそ、フース・ヒディンク氏を後任に据えたのだろう。

 ヒディンク新監督はルイス・フェリペ・スコラーリ体制を引き継いでFA杯制覇などの功績を残しており、サポーターに良い印象がある。サポーターからの反発を最小のものに抑えるには最善の人選だった。

 目標は来季のCL圏内である4位の確保。モウリーニョ前監督が「もう無理」と投げ出した“ミッション・インポッシブル”な任務を遂行できるだろうか。

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