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アジア 8年前

豪州を賑わす『明』と『暗』の話題。連盟とファンの対立とリオ五輪目指す“オリルーズ”の挑戦

text by 植松久隆 photo by Getty Images , Taka Uematsu

2度目は迅速だったFFAの対応

 FFAは、今回の記事が出た直後、前回と打って変わった速やかな対応を見せた。すぐに、直接的なレスポンスをFacebook上に掲載して反撃して見せたのだ。少し長くなるが引用する。

「今朝のテレグラフ紙の記事、もうお読みになった方もいるかもしれませんが、これがその記事への私たちの回答です。“メリー・クリスマス、レベッカ・ウィルソンさん! サッカーは、現在、過去、未来、いつでもオーストラリアの一部です。私たちはどこにも行きやしません。是非、あなたも私達の仲間になりませんか”」

 この迅速かつウィットの利いた対応には、「やっと、FFAが僕らのために立ち上がった」というものに代表されるようなファンからの肯定的な反応が多数見られた。

 同時に、前回の記事掲載後に殺害予告も寄せられるなど大きな批判を招いたにも関わらず、なぜウィルソン氏がここまで執拗にサッカーを攻撃するのか理解できないと言ったような激しい拒否反応も見られ、コアなサッカーファンの彼女に対しての恨み骨髄に徹することがあらためて印象付けられた。

 それでも、FFAが速やかな“初期消火”を行ったことは、「なぜ、前回は出来なかったのか」という疑問はさておき、彼らの対応の進歩として素直に評価しなければなるまい。

 この「FFA対レベッカ・ウィルソン」の第2ラウンドが今後どのように推移するかだが、クリスマス休暇の真っただ中ということもあり、このまま双方の目立った動きが無いまま痛み分けになる気配が濃厚だ。

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