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アジア 8年前

五輪予選へ向け戦力充実のタイU-23代表。日本と同組の“伏兵”に寄せられるサプライズの期待

text by 長沢正博 photo by Masahiro Nagasawa

本大会に向けたチーム作りには不安な点も

 A代表との兼務で監督を務めるのは、タイ代表歴代最多キャップを持つ“ジーコ”ことキャティサック・セーナームアン。チームの規律を重んじ、監督就任以降、2014年のアジア競技大会4位、スズキカップ(東南アジアサッカー選手権)優勝など、タイ代表を復活させた手腕は確かなものがある。

 一方でこれまで準備不足の指摘もあった。U-23選手権に向けて10月、11月に国内合宿を行ったが、いずれもW杯2次予選に向けた代表合宿期間と重なったため、主力となる複数のメンバー、キャティサック監督が不参加だった。

 さらにリーグ戦終了後の12月17日から始まったタイでの最終合宿も、12月26日のタイFAカップ決勝にムアントン・ユナイテッドとブリーラム・ユナイテッドが勝ち進んだため、両チームの所属選手6名がその試合後に合流するなど、メンバー全員が勢ぞろいする時間は少なかった。

 試合に関しても、10月、11月の合宿中にタイ・プレミアリーグの2クラブとの試合を組んだが、ラチャブリーには6-0と大敗し、スパンブリー戦はウォラチットの得点で1-0と辛勝。年内最後の試合となったディビジョン2(3部)のパヤオ戦はフルメンバーに近い形で臨み、4-1と快勝したが、年内に予定されていたシンガポールとの試合は延期された。

 23歳以下の選手が参加するSEA Gamesの優勝メンバーからは、フル代表の中心選手に育ったMFサーラ・ユーイェン(ムアントン・ユナイテッド)ら1992年生まれの選手が多数抜けており、言ってみれば3月の予選終了後、AFC U-23選手権本大会に向けたメンバーで他国の代表チームとまだ試合を行っていない。日本のように事前の中東遠征もなかった。

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