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バルサの中盤に新たな可能性を示したアルダとセルジ。3冠連覇へ“アクセル”となるか

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

流れるような連係で先制点を演出

 サイドプレイヤーであるアルダをインサイドハーフとして起用することで、中盤から外への流れができる。さらに、このアルダのスタイルは左ウイングのネイマールとの相性も良い。

 ネイマールはウイングの選手だが、サイドを縦に突破するタイプではなく中へカットインすることでチャンスや得点を生み出すタイプ。そのため、サイドに流れるアルダと中へ切り込むネイマールは自然な動きで連動することができていた。

 このアルダのスタイルは、試合開始からわずか8分で得点という結果として現れた。ネイマールが中へと絞り、アルダは左サイドを上がる。右サイドでボールを持つメッシが逆サイドのアルダへボールを送り、ゴール前に走り込む。アルダはメッシへ折り返して先制点をゲット。流れるような連係を見せた。

 もちろん、だからといってイニエスタよりアルダということになるわけではない。おそらくは今後もイニエスタがファーストチョイスになるはずだが、異なるタイプのアルダが控えることで戦術の幅を大きく広げることになる。1つより2つの武器がある方が相手にとっても対策を打つことが難しくなるだろう。

 加えて、アルダはウイングとしてもプレー可能なため、1人でチームの選手層を格段に厚くする存在となる。

 そしてもう1人、インパクトを残したのがセルジ・ロベルトだった。前述の通り、自身4つ目のポジションとなるアンカーで先発したセルジは、93回のボールタッチで78本のパスを出し、3回のチャンスを作り出した。この3項目は全て両チームでトップの数字だった。加えてパス成功率でもヴェルメーレンの97.4%に次ぐ92.3%という高い数字を記録していた。

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