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ジダンは名将となるか。初陣でレアルにもたらした変化=ベニテス体制最大の問題点

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

監督交代直後は結果が出やすいが…

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ジネディーヌ・ジダンが名将と呼ばれる日は来るのか【写真:Getty Images】

 対戦相手のデポルティボも14回のチャンスを作り出し、18本のシュートを放つなど決して悪いパフォーマンスではなかった。それでも無得点に終わり5失点を喫したのは、マドリーがチーム全体でも高い守備意識を持っていたことが要因となる。

 タックル数は32回を記録し、ディフェンシブ・アクションでは39回を記録した。同項目でデポルティボはタックル数で25回、ディフェンシブ・アクションで37回だった。5失点を喫するなど守備に追われているはずのデポルティボを上回る守備機会を作り出していた。

 そして、クリスティアーノ・ロナウドとガレス・ベイルという最強のウイングを持つだけに、攻撃の流れは主にサイド。マドリーがチームで作り出した計11回のチャンスのうち、サイドからは8回を記録。ゴールシーンだけを見ても、5点のうちCKの2点を除いた3点中2点がサイドからのクロスによって生まれた得点となっている。

 チーム全体が高い守備意識を持ち、サイドからスピーディーなカウンターで得点を狙ったジダン監督のレアル・マドリー。

 とはいえ、スポーツというのはメンタルも大きく関わってくるもの。一般的に監督が変わったばかりの試合では選手もモチベーションを上げて成績が上回るとされている。

 そして、今回のマドリーの変化はメンタル面も大きく関わっているもの。それがジダン監督によるものなのか、通例のものと同様のものなのか…。それはあと数試合の後に明らかとなる。

 ペップ・グアルディラ監督がバルセロナで大きな栄光をつかんで以降、急増した“レジェンド監督”だが、その後成功した例は少ない。ジネディーヌ・ジダンが果たして名将と呼ばれる日が来るのか、欧州サッカーに新たな見所が加わった。

【了】

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