本田が評価される理由。指揮官、同僚、メディアまで。軽視されてきた“陣取り”要素

ミランは現地時間23日、セリエA第21節でエンポリとりアウェイ戦に臨む。シニシャ・ミハイロビッチ監督は前節に続いて本田圭佑の先発起用を示唆している。ここ数試合で監督やメディアからの評価を上げている本田だが、なぜ再び評価を得ることが出来たのだろうか。

2016年01月23日(Sat)20時32分配信

text by 神尾光臣 photo Getty Images
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再び評価を上げてきた本田

本田圭佑
ミランの本田圭佑【写真:Getty Images】

「相手は調子が良く、戦力の割に連携がオートマチックに完成されている、今シーズンで一番のサプライズを起こしているチーム。名前に騙されてはいけない。明日は大変な試合になる。だが我々も調子を上げてきた。もしフィオレンティーナ戦のように勝利の意欲と勝負強さ、そして献身性を発揮すれば、必ずいい結果を出せると思う」

 23日(日本時間24日早朝)エンポリ戦の前日記者会見で、ミランのシニシャ・ミハイロビッチ監督はそう語った。つまりこの言葉から推測されるのは、エンポリ戦でもキープコンセプト。4-4-2のフォーメーションは維持、そして本田圭祐の右サイドハーフ起用も然りである。

 フィオレンティーナ戦での勝利から、組織的なバランスを取る働きが急激に地元メディアからも評価されてきた。振り返れば、こういう動き自体は昨シーズンから続けていたもの。ただこの数試合で本田が先発に返り咲き、それに合わせてチームのバランスが向上したことで、この再評価につながっているようだ。

 さらに地元紙のインタビューに答えたイニャツィオ・アバーテなどは「真面目でインテリジェンスがある。持久力は恐ろしいほどだ」と本田の能力に言及していた。

 戦術を理解し、ボールのないところで的確に動いてスペースを埋め、守備を固めてピンチを未然に防ぐ。ボールを持てば次の展開を把握し、シンプルに叩く。なおかつ、プレスやハイボールの競り合いなど、タフなプレーも引き受ける忠誠心と、それを可能とするフィジカル。軽視されがちな部分だが、重要な能力だ。現実的に11人サッカー、とりわけ戦術を重視するイタリアでは“陣取り”要素で勝負が決まる部分がある。

 もっとも攻撃的なプレーヤーは攻撃面で目立つべきで、10番を背負うタレントとして本田は物足りないという見方をするファンもいるだろう。本田に対するミランファンのブーイングもそういうものがベースになっている部分がある(もちろん、勝利に結びつく結果を出していなかったという事実もその要因だろう)。

 しかしミハイロビッチ監督はこうも言い切っていた。「タレント性があっても、規律がなければ選手は上のレベルに進めない。選手たちがこれを理解していることを嬉しく思う」。規律を尊重しプレーしているから本田はスタメンで出られているわけで、さしあたって現在はこれで良いと見るべきなのかもしれない。

 ただ、攻撃の貢献なしで終わることは本田自身も納得しないだろう。優れた戦術の読みと周囲の把握能力をいかに攻撃へも振り分けるかが今後の課題となる。

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