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本田圭佑 8年前

本田が評価される理由。指揮官、同僚、メディアまで。軽視されてきた“陣取り”要素

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

鍵を握るアバーテとのコンビネーション

イニャツィオ・アバーテ
右サイドでコンビを組むイニャツィオ・アバーテ【写真:Getty Images】

 エンポリ戦は、そのための試金石となる。マルコ・ジャンパオロ監督のもと11人で緻密な連係が出来ている彼らは、強豪相手に堂々としたサッカーを仕掛ける。6日に行われたインテル戦(ホーム)でも、敗れはしたがインテルを苦しめていた。中盤ではプレスが緊密にかかり、ボールを奪えば展開はシステマチックで速い。

 ミランとしては、フィオレンティーナ戦同様守備で受け止め、そこからの逆襲を図るというプランで挑むことになると推測される。FWを開かせてサイドバックをつり出し、できたスペースを使うという掻きまわしを彼らは計ってくるが、本田がアバーテをどれだけサポートできるかということがピンチ回避の条件の一つだ。

 そして、奪った後に攻撃を組み立てられるか。スカウティングの緻密なジャンパオロ監督のこと、本田については緊密なプレスでスペースを潰して、前を向かせないようにする対策を取ってくるだろう。

 調子の悪い時は、それをされたら本田は沈黙して後半に交代する、というパターンに陥っていた。だがこの数試合は、囲まれてもシンプルにボールを離したり、プレスに耐えて展開をつないだりというクレバーさも見せていた。

 それを持続させ右サイドのアバーテを走らせつつ、攻撃志向が強くスペースを作りがちな相手の左SBマリオ・ルイの裏を攻略し、シュートまで持っていけるかが勝負どころだ。

【了】

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